「都知事問題」と「不倫問題」
ちょっと前までニュースは北海道の「子供置き去り事件」で持切りだったが、それが一段落した今は、「都知事問題」と「不倫問題」が両横綱で、それに時々米国の大統領選挙の話題が絡んでくる程度という様相だ。
大統領選挙に関しては昨日触れちゃったから、しばらくは静観しようと思っているが、両横綱の「都知事問題」と「不倫問題」については、なんだかちょっと違和感を覚えてしまうのだよね。
これについては 「叩きやすい問題は皆が集中して叩く」 という指摘があちこちでされているが、まあ、確かにその通りだと思う。今年 4月に「炎上の構造」という記事で、"炎上というのは「炎上しやすい下世話なシチュエーション」で発生する" と書いたが、都知事問題も不倫問題も、それにぴたりと当てはまる。
「都知事問題」については、都議会で「セコい、セコすぎる!」と批判されたというのだが、私は議会という場で「セコい」なんていう俗語的形容詞を使って批判するというのは、「いかがなものか?」と思ってしまう。言葉の意味そのものも、趣旨からしてちょっとずれてるし。
私は先月15日の「経費支出の公私混同」という記事で、舛添さんについて「この人、かなり金遣いの荒い人だなあ」と書いているが、「セコい」とは思わなかった。実のところ、彼の金の使い方は「セコい」のではなく「厚かましい」のだよ。
団塊の世代よりちょっと遅れて生まれてしまったために、高度成長期が完全に終わってから世の中に出た世代の一人である私は、原則として「金はセコく使うべき」だと思っている。だから「セコくて何が悪い?」と言いたいほどのものだ。
舛添さんは自分の金に関してはセコかったのかもしれないが、批判されるべき問題は「公金とされている財源からテキトーに好きなように使っていた」ということである。ということは、彼は「セコい」というより、 「厚かましい」あるいは「図々しい」ということで批判されなければならないはずだ。どうも批判する側からして「公私の別」を曖昧にしている。
この言葉上の勘違い、どうも世間の軽薄な価値感におもねているようなのだ。女にモテない男の特徴として、「セコい」という要素は「不潔」と並んで常に上位にランクされるそうだから、この言葉で批判する方が、世間で受け入れられやすいと踏んでいるのだろう。
しかし私の感覚としては、世間話として「あいつ、セコいよね」とか言うならまだしも、都議会という場でことさら声を荒げて「セコい、セコすぎる!」なんていうのは、言葉の意味からしてもイメージからしても、なんだかなあと思ってしまうのだよ。「もっとよく考えて適切な形容詞使ってよ」ということだ。
さて、次は「不倫問題」である。これについてはざっとしたものだ。
近頃ニュースになっているファンキーモンキー何とかかんとかの不倫がどうのこうのというのは、まったく興味がない。近頃タレントの不倫問題が連続して妙に大きく取り上げられているが、私としては「勝手にやってくれ」と思うばかりだ。他人の色恋沙汰に口を差し挟むのは、無粋というものである。
どうやら不倫が明るみに出て大きなダメージを蒙るのは、多くの CM に出演しているタレントのようで、そういうのにあまり関係のない、要するにそれほど売れているわけじゃないタレントは、ほとぼりが冷めるのを待ちさえすればいいようだ。そうか、あれって要するに、「電通マター」なのだね。
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コメント
話の筋とは全く関係ないツッコミを一言。
都知事のお名前ですが、木ヘンのつかない、「舛添」さんですね。
名前が出るたびに気になってしまって…^^;
投稿: もりけん | 2016年6月11日 00:34
都知事問題については都民じゃないので、私にとっては娯楽みたいなもの。しかし、全国の地方議会で無駄使いしている議員に対する強い警告になるので何らかの形で職を辞することになった方がいいと思っている。
また政務活動費の用途の規制がこの際、厳しく制定されればと、期待できる。こうなれば舛添さんはいい仕事をしたことになる。
不倫問題には100%興味なし。私もファンキーなんとかなんて知らないし。
以前は週刊文春を時々買っていましたが、芸能人や政治家の不倫問題を扱うようになってから、 ”こんな記事に金を払う気はない” ということでもう買うのを止めました。
不倫の本人が、「皆様にご心配とご迷惑をおかけしました」というお決まりの言葉は「電通の皆さま」への謝罪の言葉だったんですね。無関係の私が謝罪の言葉に違和感を感じたのはそういうことだったのかと、やっと気が付きました。
投稿: ハマッコー | 2016年6月12日 06:14
もりけん さん:
あ、ほんとだ。うっかり変換ミスしてました。あわてて修正しました。
ご指摘ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
投稿: tak | 2016年6月12日 07:37
ハマッコー さん:
確かに、不倫の 「お詫び会見」 とやらで、「皆様にご心配とご迷惑をおかけしました」 なんていうのは、自分を買いかぶりすぎでしょうね。
こっちは心配なんかしてないし、迷惑とも思ってませんから。
投稿: tak | 2016年6月12日 07:40