クマの被害が増えているのは
今年は人間がクマに襲われたというニュースが多い。山に入った人の行方不明が相次いで、クマに襲われたのでないかとみられている秋田では、駆除したクマの胃袋から人間の体の一部が発見されたなどのニュースもあり、緊張が高まっている。今日は島根県で、鮎釣りで山に入っていた人が襲われている。
この春は秋田県の山奥で、山菜採りの名人に同行するという、得がたい経験をした。登山道とは関係のない山の斜面で、這いつくばうように行くのである。連れて行ってくれた人は、「クマはそのあたりにいるはずだけど、向こうの方で気を利かせて人間を避けてくれるから、大丈夫」なんて言っていたが、ちょっと無遠慮に彼らのテリトリーを冒してしまったら、やはり危ないのだろう。
一説には、山の木の実のなり具合が影響していると言われる。ドングリなどの実は、隔年で多い少ないを繰り返すらしく、偶数年は実が少ないので、クマが里の近くまで出没する傾向があるという。とはいえ今はまだ夏に入ったばかりで、ドングリの生育とはあまり関係がないだろう。
私は限界集落の現状と関係があるのではないかなんて、想像している。山村は老齢化が進み、限界集落が限界を越し始めたりしているのではなかろうか。そうなると、山菜やタケノコ採りで山に入る人たち(多くは山村の老人)が減り、人間のテリトリーが後退する。すると相対的にクマのテリトリーが前進してくる。
そうした状況の中で、なおかつ山に入る人というのは、既にクマが「俺のテリトリーだ」と認識し始めた領域に、これまで通りのつもりで軽い気持ちで入っていってしまっているのではあるまいか。
クマに限らず、野生動物の領域が広がっているのだとしたら、人間はこれまでよりも謙虚に、そして注意深く自然の中に入っていく必要がある。
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