根室にも「オランダせんべい」があった
私の故郷、酒田には「オランダせんべい」というお菓子がある。これについては前に当ブログで書いていたつもりだったが、検索してみると見つからない。「おかしいなあ」と思ってさらに検索してみると、ほぼ 6年前に Twitter で次のように書いていただけだった(参照)。
オランダせんべいが話題になってるけど、あの超洗練の薄焼きは、酒田の誇りです。日本中に伝道して廻りたいほど。東北限定販売だけと、ネットでなら買えます。
とにかく超薄焼きなのである。くちに入れただけで、噛もうとも思わないうちにパリっと割れる、あのはかない感覚。そしてクセになるほどの微妙な塩味。製造元の酒田米菓のサイトでは 「庄内のソウルフード」と紹介している。下の写真は酒田米菓のサイトから借用している(クリックで酒田米菓のページに飛ぶ)が、その瑞々しいまでの薄焼き加減が伝わると思う。
というわけで、私は帰郷する度にこのオランダせんべいをパリパリとおいしく食べているわけなのだが、先日出張で訪れた北海道の根室に、名前も同じ「オランダせんべい」というものがあることを知って愕然とした。何しろ名前は同じだが、まったく対象的な食べ物なのだ。
超薄焼きの洗練度を誇る酒田のオランダせんべいに対して、根室のオランダせんべいは、もっちりとした厚焼きである。下の写真は根室で頂いてきたのを我が家で開いたものだが、一見するとせんべいというよりはワッフルに近い。
食感も、酒田のは口の中ではかなげに 「パリッ」 と割れるのだが、根室のは、まず手でむちっと引きちぎってから口に入れないと、まるでスルメみたいに噛み切るのも大変なほどだ。「洗練」 というよりは 「素朴」 という言葉が似合う。
味はほんのりと甘い。粗糖的なやわらかくて素朴な甘さだから、全然くどくない。酒田のは米が原料だが、根室近辺は水田がないので、これは多分小麦粉を原料としているのだろう。根室の子供たちの代表的なおやつとして親しまれ、大人になっても間食に欠かせないというが、なるほど、これなら飽きずに一生付き合えるだろう。
とにかく名前は同じでも、両者はまったく性格を異にしている。共通点は微妙な薄味ということだけだ。このおかげで 2つのオランダせんべいは、いくら食べても飽きない「ソウルフード」的な存在となっているのだろうね。
あ、そうそう、書き忘れるところだった。酒田のオランダせんべいのネーミングは、「誰んだ?」「おらんだ(俺のだ)」という洒落だが、根室のネーミングの由来は誰も知らないらしい。ただ一説には、オランダ人の靴跡のパターンを表しているからという。そういえば、丸い全体の 4分の1 ずつパターンが違うんだよね。
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コメント
こんばんは。以前、「終わす」でお邪魔しましたyukihoです。
最近の酒田米菓は工場見学(試食が食べ放題というウワサ)やキャラクター?製品にも力を入れているようですね。
さらに、"プレミアム"オランダせんべい(私が食べたことあるのはたしか「ゆず胡椒味」)などもあります。パッケージもかわいらしいです。
先日、NHK-BSの番組で、秋田県湯沢市近辺のソウルフードとして「オランダ焼き」なるものが紹介されていました。
いわゆる「大判焼き」の中身がハム(フチが赤いアレ)とマヨネーズ。
ネーミングには諸説あるようで、
①三角形に切ったハムを2枚置くとオランダの風車のように見えるから
②かつて食品会社に勤めていたおばちゃんがマヨネーズを使ったお菓子を考えていた頃、東北ではポピュラーだった「オランダせんべい」をヒントにしたから(丸い形から思いついた)
とのことです。
根室のも、食べてみたいですね。よくみると袋に「元祖」と書いてあるのが気になります。
他のパターンもあるのか(笑)?
投稿: yukiho | 2016年6月 4日 22:36
yukiho さん:
へえ1 酒田米菓もずいぶん立派になったものですね (^o^)
「オランダ焼き」というのもあるんですね。へえ!
投稿: tak | 2016年6月 5日 22:00