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2016年6月 4日

雑誌の売れない時代

2016年 3月期の雑誌の売り上げが、32年ぶりに書籍の売り上げを下回ったのだそうだ。日本経済新聞はその大きな要因は、女性向けファッション誌の 11.8%減という大幅な落ち込みだったとしている。まあ、今どきファッションなんかにうつつを抜かしている女性は、大幅に減っちゃってるからね。

私としては、雑誌の売り上げが減少したというニュースよりは、32年前までは書籍の売り上げが雑誌より多かったということの方が驚きだったりしている。その 32年前といったら 1985年のことで、時はバブル前夜の様相を呈していた。この頃から、女性向けファッション雑誌がやたら増えてしまったわけなのだね。

バブルの頃なんか、電車に乗ったら若い女性はみんなファッション雑誌を開いて読んでいたという印象がある。しかもその女性のファッションによって、読んでる雑誌がみんな違っていたものだ。今から思えば、よくまああれだけのファッション雑誌が世に出ていたものだ。

当時の価値感では、ファッションのわかっている者がエラくて、ファッション・センスのないオッサンは馬鹿にされ尽くしていたものである。ファッションしかわからない者が馬鹿扱いされる今とは、えらい違いだった。あんな時代だったら、そりゃファッション雑誌は売れまくるわな。

あれから 32年も経ったのだから、時代は変わってしまったのである。当時、電車内での暇つぶしに最適だった雑誌というメディアは、今ではインターネットに取って代わられた。昔の電車内では、オッサンは『週刊ポスト』みたいな週刊誌、女性はファッション誌を読んでいたものだが、今ではみんなスマホをのぞき込んでいる。

近頃、『週刊文春』のスクープが連蔵して世間を騒がせたが、世間の人たちがみんな文春を読んだわけじゃない。大抵はテレビのワイドショーとかインターネットとかで知ったのである。元々雑誌が発信した情報でも、一度知れ渡ってしまったら、あとはテレビやインターネットの方が速報性で勝ってしまう。一度ドカンと花火を打ち上げてしまったら、それで雑誌の出番は終わりだ。

インターネットに負けない要素と言ったら、雑誌よりは書籍の方にあるのだろう。雑誌の売れない時代になってしまったのだ。

 

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コメント

あたくし、校正で細々と(体型のことではなくw)食べておりますが、「雑誌」は年に一~二冊買う程度です。
現在の雑誌は編集者の事故満足でしかないようにみえますね。読んでもおもしろくないっす。

もう少し、読者の知的好奇心を刺激するような内容を!というところですか。でも編集者自身が保身と財テクにしか興味がなかったら、無理な注文か。(手厳しいですな)

投稿: 萩原元良 | 2016年6月 4日 23:29

考えてみたら私も雑誌は買いませんね。

私がちょっと詳しい分野に関する記事を読んで、

”こんな間違ったことよう書くわ、この出版社はこんなライターに金払ってるのか。この雑誌は紙くずだよ”

”誰がこんな出鱈目書いたんだ、ん、「監修、〇阪大学△×教授」、名前貸してるだけじゃん”

ということが何度か。
出版社に、何が間違っているのか詳しく説明してあげましたが無しの礫でした。
雑誌なんて内容はいい加減なもんです。


投稿: ハマッコー | 2016年6月 5日 20:14

萩原元良 さん:

確かに、雑誌の質も落ちてるんですね。というか、元々そんなに質の高いもんじゃなかったのかも。

投稿: tak | 2016年6月 5日 22:05

ハマッコー さん:

雑誌の内容は、いかにも「やっつけ取材」 しかしてないなというのが多いですね。記者も 「おめえ、トーシロだな」 と言うほかないみたいなものです。

監修にしても、シリアスに取り組んでいるわけじゃないでしょう。真面目にやったら、雑誌の締め切りに間に合うわけがないです。

投稿: tak | 2016年6月 5日 22:09

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