WOWOW の UFC 放送が終了していた
「近頃、WOWOW で UFC の格闘技戦が見られなくなったなあ」と思っていたが、既に 3月末の時点で放送終了となっていたと知った。いやはや、この頃は何だかんだとやたら忙しかったから、このニュースを見落としてしまっていたよ。
放送終了の理由は明らかにされていないが、どうやら日本人ファイターの活躍が目立たないので、国内での視聴が伸びないという事実がネックになっているらしい。格闘技先進国と思われていた日本は、現在は UFC の進化に付いていけず、フライ級の堀口恭司を除けば、ランキング上位に入ることも難しい状態になっている。
ただ、それだけではない。私が思うに、総合格闘技はボクシングやプロレスなどと違って、「見る目」が要求される。要するに、観戦が難しいのだ。打撃はまだわかりやすいからいいが、寝技の攻防は地味でとらえどころがない。関節技なんてどこでどう決まるのか、素人にはほとんどわからないだろう。
私は合気道をやっていたので、関節技の感覚がわかる。かなり前、「リングス」の試合を友人数人と観戦した時、リング上の関節技の応酬を見ながら 「まだまだ決まらないね」、「あ、これは入った。一丁上がり!」なんて言うと、「どうしてそんな微妙なことがわかるんだ?」と驚かれた。こればかりは、実際に関節を決めたり決められたりした経験がないとわからないのだよね。
プロレスはそのあたりのことはパスして、誰が見てもわかりやすい技の応酬を演出している(そのかわり、受ける側が積極的に受けないと、プロレスの技なんてほとんど決まるもんじゃない)し、ボクシングは殴り合いに特化しているから、見ていてわからないことはない。しかし総合格闘技は、玄人の目がないと寝技での硬直はつまらないだろうし、関節技なんて、何が何だかわからないうちに終わったりする。
米国では「俺たちの地域の選手」というフランチャイズ意識でもって、細かいところはわからなくても興奮することができるだろうが、日本人にしてみると、肝心の日本人選手が少ないので思い入れしにくい。細部がわからない上に思い入れもしにくいのだから、視聴者の増えないのは無理もなかろう。
コアなファンばかりでは、WOWOW の UFC 放送は維持できなかったのだろう。こうなったら日本の UFC ファンとすれば、月額制の映像配信サービス "UFC Fight Pass"(月額1214円)の契約をするしかないかもしれない。それにしても、総合格闘技というのは、この国では本当にマイナーな存在なのだなあ。悲しいことに。
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コメント
僕は修羅の門ってマンガが好きです!
本物見てもちょっとはわかりますかね!?
(0゜・∀・)ワクワクテカテカ
投稿: ひろゆき王子 | 2016年6月 8日 19:35
ひろゆき王子 さん:
そのマンガは、なんとかいう格闘技流派が世界最強であるというテーマのようですが、実際には 「最強の格闘技」 なんてありません。存在するのは、「強い格闘技者」です。強い格闘技者でも、コンディション次第で負けることもあります。
投稿: tak | 2016年6月 8日 19:55