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2016年7月31日

日本人、「汗」 が好きなのだね

昨日、クルマを走らせながらラジオを聞いていると、「さあ、選手のキラキラした素晴らしい汗が見られる大会が近付いてきました!」と言っている。一瞬「何のこっちゃ?」と思ったが、すぐに「ああ、オリンピックのことか」とわかった。

それにしても、オリンピックのテレビ中継を見るのに「キラキラした素晴らしい汗」なんてものに注目する人なんて、本当にいるんだろうか。そんなのを画面に映し出そうとしたら、相当のドアップにしなければいけないだろうが、本当にやられたら目を背けるかもしれない。

まあ、これは単にメタファーに近い表現なのだろうが、それにしても日本人、なぜか「汗」が好きみたいなのである。「額に汗して働く人がエラい」とか、所属する組織に尽くすことを求めるのに「もっと汗をかきなさい」とか、かなり「汗」に意味を持たせたがる。

そういえば、40年ぐらい前に仕事先で「ポカリスエット」の試供品(販売開始直前だった)を試飲させてもらった時、私は缶に記された "POCARI SWEAT"(ポカリ汗)という商品名にちょっとびっくりして、「これって、汗なの?」と思わず聞いてしまったのを思い出す。気持ち悪い感じがしたのだよ。正直なところ。

担当者は私の感覚には全然無頓着に情熱的に説明を始め、私はさらに冷めていった。

「いえ、そりゃあ、『汗そのもの』ってわけじゃありませんよ。でも、汗と同じような成分が入ってるので、運動で失われた体の成分を速やかに補給できるんです」
「ふぅん、そうなの。だからおいしくないんだね」
「いやだから、これは、美味いとか不味いとかいうことで飲むものじゃないんです。あくまでも運動で失われた体の成分を......」
「なるほど、やっぱり『汗』 なんだ」
「いや、だからぁ、さっきも言ったように『汗そのもの』じゃないんです」
「でも、『汗』って英語で書いてあるじゃん」

その後「ポカリスエット」は当たり前の商品として、市場でも十分お馴染みになったが、私個人としては今でも  "POCARI SWEAT" という商品名にちょっとした抵抗を感じてしまうのである。実はこれは国際的にはスタンダードな感覚のようで、海外で展開する時の商品名は、単に "POCARI" としているらしい。

まあ、いくら何でも日本市場だってもろに日本語で 「ポカリ汗」 では売れないだろうが、いずれにしてもこの国では「汗」って「美しいもの」という感覚があるらしいのだね。一方で「汗臭い」なんて言って嫌われたりもするのだが。体を動かして働くことに対するリスペクトの象徴ではあるのだろうね。

 

 

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