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2016年7月15日

飛行機が揺れまくるときは、大抵眠っちゃってる

参院選とか永六輔さんの死去とかいう大きな話題が続いたので、ちょっと書きそびれていたが、先日の徳島出張での飛行機は、とくに帰路の気候条件が悪くて、ずいぶんガタガタ揺れた。何しろ、徳島空港の出発からして、20分遅れたのである。羽田空港付近の大きな雨雲をやり過ごすためだそうだ。

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そして、大きな雨雲をやり過ごしたはずなのに、羽田空港への降下を開始した時は気持ち悪くなるほど揺れまくった。私は昔から自分の乗った乗り物が揺れまくるときには、睡眠の中に逃げ込むという便利な身体反応を示すことになっていて、この時もずいぶん長い間うとうとしていた。

実は私は 28歳で初めて飛行機に乗った。それも国内便ではなく、いきなりの海外出張で、フランクフルト行きである。私はこの頃、まだ鉄のかたまりの飛行機が空を飛ぶということをあまり上手にイメージできていなかったので、成田空港からの離陸にあたってはかなり緊張していた。滑走路でスピードが上がるに連れ、必死に脚を突っ張っていたほどである。

そしてこの時のフライトが、かなりの悪条件でものすごい揺れ方だった。とにかく揺れるだけじゃない。北極圏上空の乱気流でいきなりエアポケットに入ると、スーッと落ちるのである。話に聞くと、このスーッと落ちる時というのは、少なくとも数百メートル落ちているのだそうだ。気圧のものすごく低いところで落下し、まともな気圧の層にバフッとぶつかって落下が止まるのである。

この時は、そんな落下を何度経験したかしれない。スーッと落ちる時の、あのはらわたがホエーっと浮き上がるような気持ち悪さは、かなりこたえる。昔の性能が悪かった頃の超高速エレベーターに乗って、いきなり降下されるとあんな感じだった。この気持ち悪さから逃れるために、私は眠りまくった。

私の「揺れまくるときは睡眠の中に逃げ込む」という身体反応は、12歳で青函連絡船に乗った時に身についたのだと思う。この時は台風通過直後で、津軽海峡はかなりのうねりだった。スーッと上がったかと思うと、ストーンと落ちる繰り返しで、すっかり船酔いしてしまった。そしてこの船酔いの苦しさから逃れられたのは、ひたすら眠ったことによる。眠りさえすればいいのだ。これはある種の 「成功体験」 である。

幸いなことに、私は寝つきのいい性分である。この時の経験から、「揺れるときには眠ればいい」という条件反射が身についてしまったらしい。そして初めての飛行機でも、乱気流で生きた心地がしないので、とにかく「眠ってしまおう。眠ってしまいさえすれば怖くない」と無意識の中で思ったようなのである。とにかく、ひたすら眠っていたよう気がする。

この時にはあまりの揺れや落下で度々目を覚まし、肝を潰していたのだが、その後、何度も飛行機に乗って揺さぶられるうちに、悠々と眠れるように堂に入ってきてしまった。人間、ストレスが大きいと眠れなくなるが、私の場合は、大きすぎるストレスだとかえって眠ってしまうようなのである。我ながら便利な体だ。

先日の徳島からの帰路も、羽田に近付いて降下を開始した頃から「ずいぶん揺れるなあ」と思っていると、 「機長からの指示で、乗務員も座らせていただきます」 なんて機内アナウンスが流れた。トイレに行くのも控えろという。結構ヤバい。

しかし「こりゃかなわんなあ」と思っているうちに、またしても都合良く眠ってしまったようで、最後に「ドスン!」という衝撃でびっくりして目を覚ますと、飛行機は既に羽田空港の滑走路を疾走していた。どうやら、一番恐ろしい揺れは眠っているうちにやり過ごしてしまったようだ。

というわけで、我ながら便利な身体反応を身につけてしまったようなのである。

 

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コメント

なる程、今いる場所がストレスでもとりあへずそこに居なければならなひ場合、自己防衛として眠くなるのですね。わかります。眠ることによつてそのストレスから意識をシャットアウトしやうとするのですね。
つまらない授業のときや意にそぐわない仕事のとき私も必ずさうなります(なりました)。
飛行機に乗つて居るときはなかなかやつかいですよね。降車ボタンはなゐし(笑)。飲むか眠るかしかなひ。

投稿: はぎ腹見づ寝 | 2016年7月15日 23:18

はぎ腹見づ寝 さん:

赤ちゃんも、そんな反応をしますね。

「ウチの子は、ちゃんとおねむしてくれて、手のかからない子だわあ」 なんてノー天気なことを言ってるお母さんもいますが、エラい勘違いの場合もあります。

「ストレスまみれで、眠りの中に逃げ込むしかない状態」 ってことも多いんですよ。

投稿: tak | 2016年7月16日 00:03

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