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2016年7月19日

「眼精疲労」 の 「眼精」 って、一体何だ?

このブログのポータルサイトである 「知のヴァーリトゥード」 のサブサイト、「知の関節技」 の中に "「小股ってどこか」よりも大切なこと 「よくわからない」まま置いておく美意識" というヒット・ページがある。このページでは「小股の切れ上がったいい女」とかいう決まり文句の「小股」ってどこかということにフォーカスしている。

で、私としては結局のところ、人体には「小股」という特定の部位があるわけではなく、「小腹が空いた」とか「小耳に挟む」とかいうのと同様の、「体言挟みの係り」説を支持している。「小股の切れ上がった」というのは、「股がちょっと切れ上がった」という程度の意味ということだ。

ところで、私が「小股」以上に疑問に思っていたのが、「眼精」ってどこなんだ? ということである。よく目薬の効能なんかに、「眼精疲労に効く」なんてのがあるのだが、この「眼精」って一体何なのか、疑問に感じながらずっと放っておいてきてしまったのだ。

私としては、眼球の中のピントを合わせるための筋肉や神経関係の総称ぐらいに思っていた。だから PC の前に座りっぱなしで根を詰めた作業をすると、そこらへんの部位の総称である「眼精」というのが疲労してしまい、視界がボヤボヤになってしまうのだろうと、ずっと考えていたのである。

ところがふと思い立って「大辞林」で「眼精」という言葉を引いてみて驚いた。それは人体の、とくに眼球の中の特定の部位を指す言葉なんかじゃなかったのである。「モノ」じゃなくて「コト」を示す単語だったのだ。以下に引用する。

眼精: 目の力、視力。また、見分ける力。

用例として「一目見たりし頼政が眼精を見ばや」という『源平盛衰記』の中の文が挙げられている。源頼政って、一目で何かを見抜く眼力があったってことのようだ。

何と、要するに「視力」とか「見分ける力」とかいうのが、「眼精」の正体だったのだ。意外や意外である。で、世の中の目薬の多くが、この「視力」や「見分ける力」の疲労回復に効果があると謳っているのだ。

ここで注目すべきなのは、「視力が良くなる」というのではなく、「視力の疲労」の回復に効果があるとされている点だろう。もっとわかりやすく言えば、「目の疲れ」の回復に効果があるというのである。

なんだ、「眼精疲労に効く」 なんていうとずいぶんもっともらしく聞こえるが、要するに「疲れ目」を癒やすというだけのことのようなのである。

 

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