組織運営の 「透明化」 ということ
これまでの都政は 「自民党都連のドン」 とかいうじいさんがいて、伏魔殿の如き様相を呈していたようなのだが、小池都知事になって、「都政の透明化」が図られるというのである。結構なことである。結構なことだが、なかなか難しかろう。
都政に限らず組織の運営というものは、できるだけ情報公開して、物事がどうやって決定され、運用され、どんな結果になったかというプロセスが、妙な意図の働かない形でできるだけ客観的に公開されるのが望ましい。親分たちがこっそり寄り集まって、なあなあで取り決められ、その結果もよくわからないような形で進められると、ある意味では上も下も楽なのだが、ある日気付いてみると、とんでもないことになっていたりする。
複数の団体の事務局運営をした経験からいうと、前任者から引き継いで前々からの書類をつぶさに調べてみると、大抵おかしなことの 2つや 3つはあるものだ。ほとんどは「まあ、しょうがないか」程度で済ませることもできるが、下手するとおかしなことだらけで、「なんだよ、あのオッサン、かなりヤバいことしてたんじゃないか!」なんてこともある。
そのオッサンとしては組織運営をスムーズにするために、「人知れず泥をかぶった」みたいな意識だったのかもしれない。しかしその泥をかぶった報酬みたいなものを、密かに受け取ったことが想像される形跡があったりもするから、「おやおや」と言いたくなってしまうのである。
ところがそんなことは表面には決して浮かび上がらず、そのオッサンは周囲から信頼されたまま、つつがなく定年を迎え、感謝の言葉のうちに去って行ったのだから、今さら過去を暴き立てたところで面倒が増えるだけだったりする。てことは、やっぱりそのオッサンは「うまくやった」ってことになるのだろう。まあ、だいぶ昔のことでもあるしね。
そんなようなことを今の世の中でやったりしたら、かなりまずいだろう。しかし実際には組織の親分みたいな存在が、昔のままに「仕事をスムーズに運ぶために、俺がこっそり泥をかぶってやってるんだ」みたいな意識でいろいろなことを、やり放題にやっているケースがまだある。当人は 「組織のため」と思っているのだが、周囲からは「あのオッサンがいる間は、業務改革なんて無理だね」と思われている。
まあ、そんな親分たちも、そろそろ 80歳とかに近付いてきて、黙っていても遠からず第一線から退かなければならないタイムリミットの時期になっている。小池さんはいいタイミングで都知事になったと言えるかもしれない。
あとは、これまでおいしい思いをしてきたじいさん連中が、さっさと諦めて身をひいてくれさえすればいいのだが、そうしたじいさんたちに限って、妙に元気だったりするから始末が悪い。
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コメント
嘗ての私の食い扶持の出どころの会社の人たちは実に大胆に私腹を肥やしていました。
取引先に架空の仕事を発注して数百万の支払いをし、スポーツカーを購入させ、それをその会社名義で乗っていました。(今は厳しくなりそんなことはできませんが)
それ以外にも取引先に集りまくり、小金を稼ぎ遊興費に充てるオジンもいました。
そういうオジンはそもそも「生命力が強い」のです。今はオヤジロックバンドなんかやっちゃたりしてる。
オジンなのに妙に元気がいいのは一応疑ってみたほうがいいかもしれない。
投稿: ハマッコー | 2016年8月 8日 14:39
ハマッコー さん:
そりゃまた、ずいぶん大胆ですね。
そういうことするのは、大抵団塊の世代のオヤジではなかろうかと思っております。
投稿: tak | 2016年8月 8日 14:47