もみじマーク付き軽自動車を運転する恐ろしいばあさん
暑い時期には怪談が定番だが、私が実際に体験した怪談より怖い話を紹介してみたい。それはつい一昨日のこと、仕事で鹿嶋 (あのアントラーズの本拠地) に向かう途中の国道上でのことである。
コンビニの駐車場から私の目の前に、1台のピンクの軽自動車が割り込んできた。もみじマーク付きで、助手席にも誰か乗っているのが後ろからうかがえる。このもみじマーク付きの軽自動車の運転が、ちょっと見られないほどすごいものだったのである。
私は片側 2車線の道路の左側車線を走っていたのだが、このもみじマーク付き軽自動車は、目の前に割り込んできてすぐに右寄りに進路を取った。もちろん、いや、こうしたケースで「もちろん」なんて言っちゃいけないのだが、向こうとしてはごく当然のごとくに、ウィンカーは出さない。
私としては「しょうがないなあ」と思いつつも、その車は右側車線に移るものと推測したのだが、それは甘かった。その車は車線をまたぎ、つまり、2車線を 1車線のごとくに占有して、ゆっくりとど真ん中を走り始めたのである。大体時速 35〜40キロのスピードだ。
そのうちどちらかの車線に収まってくれるものと期待したが、ずっと車線をまたいだまま走り続ける。私を含む後ろの車は、呆気にとられつつ、下手にクラクションを鳴らしてパニックに陥られたりしたらかえって危ないと、恐る恐るおとなしく後に続く。傍からみたら、さぞかし異様な光景だったろう。もみじマーク付きの軽自動車が、2列に並んだ車のパレードを、堂々と先導しているのだから。
道路はそのうちに、片道 1車線になった。当然後ろのパレードも 1列になる。ところが先頭のもみじマーク付き軽自動車は、追い越し禁止を示す黄色のセンターラインをまたいで、右側にはみ出しながら進行する。対向車はたまらない。驚いて急ブレーキをかけ、道の端っこに逃げる。
それ以上にたまらないのは、実はこちらである。私は何の因果か、ずっとその車のすぐ後ろを走っているのだ。後ろから観察すると、助手席に座った人影は特段慌てるでも恐れるでもなく、平然と座っているように見える。一体どんな神経の 2人連れなんだ。
幸いにも再び追い越し車線のある片側 2車線道路になったので、私は 2車線をまたいで走る恐ろしい車の右側をすり抜け、辛うじて追い越すことができた。しかしまたすぐに片側 1車線になったので、後続の車は追い越すことができない。何しろ相手は 2車線のど真ん中を走るので、追い越すにもかなり度胸が必要なのだ。
やっと追い越した私は、安心してスピードを上げてその車から遠ざかろうとした。すぐ前を走っていたら、どんな事故に巻き込まれるかしれない。ところが、本当に恐ろしい思いをしたのはそこからである。バックミラーを見ると、そのもみじマーク付き軽自動車が、距離を置かずに付いてくるのである。これにはちょっとぞっとしてしまったね。
運転しているのはばあさんで、バックミラーの中で必死の形相でハンドルにしがみついている。どういう了見か知らないが、前を行く車には何としても付いて行かなければならないなんて思っているようなのだ。そんな余計なことは考えなくてもいいのに。
私はそれ以上スピードを上げることを諦めた。引き離そうとしてさらに加速なんかしたら、付いていくことを至上命令と心得ているばあさんの命があぶない。このとんでもないばあさんを守るためにも、遅めのスピードをキープしてあげなければならない。
こんな恐ろしい思いを 15分近く続けているうちに、ばあさんの車は途中で左折してバックミラーから消えた。この瞬間、私は本当に本当に安心したのだった。それにしても、あのばあさんに運転免許を与えたのは、国家的な間違いである。さっそく没収してもらいたいぐらいのものだ。そしてさらに、助手席にいたばあさんの精神鑑定もお願いしたい。
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コメント
いやぁ、読んでいて冷や汗が出ますな。私は「女とは感情と自己都合で動く生物である。論理は通用しない」という持論なのですが、それに「年寄り」が加わると怖いものなしですな(私、女系家族なのでこれは経験則から言って間違いないっすw)。
自転車に乗っていてもよく居ますな。右側通行を死守するばあさん・自転車の私の直前で脇道から出てくるオバンのクルマ(殺す気か!)・夜、スマホいじりながら無灯火逆走で向かってくる「ギヤル」。いやはや、私にとってはもはや「女を見たらよけろ」がサバイバル法です。くわばらくわばらw
投稿: はぎ腹みづ寝 | 2016年8月28日 21:42
はぎ腹みづ寝 さん:
フェミニストからは総攻撃に遭いそうなお話ですが、経験則から共感してしいます ^^;)
もちろん、オッサンにもひどいのがいますけどね。
ちなみにここ茨城県では、圧倒的多数が、「自転車は右側通行」 と思い込んでいるようです。
前にも書きましたが、私の近所では自転車の右側走行率がほぼ 100%です。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2014/08/2-e9d9.html
ヘルメットをかぶってロードバイクで右側通行してるヤツも珍しくありません ^^;)
投稿: tak | 2016年8月29日 00:41
混雑した駅のコンコースを真っすぐ歩いてるオンナを時々見かけますね。でも誰ともぶつからない。
なぜなら、他の通行人がひたすら避けているからです。
ある時実験をしました。そういうオンナが来ても私からは絶対に避けないという実験です。
結果は ”衝突” です。
そのオンナは自分が避けなくても相手が必ず避けるから避ける必要はないとたっぷり学習してるんですね。
危険運転のばあさんも同じことですね。自分がどんな運転しようが相手が避けてくれるから大丈夫と思い込んでるんでしょう。
車の場合 ”実験が” できないから、いつまで経ってもそのばあさんは反省しないでしょうね。
はぎ腹みづ寝さんの「女とは感情と自己都合で動く生物である。論理は通用しない」とのご意見には全面的に賛同します。
自転車に乗ってヘッドフォンを着けてスマホの画面を見ながら国道の交差点を渡ってるオンナを見たことがあります。”そんなに死にたいのか” と思いました。
投稿: ハマッコー | 2016年8月29日 02:43
ハマッコー さん:
へえ、(少なからぬ) 女は 「必ず相手が避ける」 と思ってるんですね。
だから、女性ドライバーは、歩行者が横断歩道を渡ろうとしても、絶対に止まらないんですね。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2015/03/post-6b21.html
私は逆に、「相手は絶対に避けない」 と思ってるので、避ける名人ですけどね (^o^)
投稿: tak | 2016年8月29日 08:47
あはははは!
「田舎あるある」ですね。ホントに怖いw。
ウチの地元でもよく見かけます。
私も先日、二車線の左側を走っていたら、前方右車線から
一気に左側の店舗に入ろうとするオバ…ご婦人に突っ込みそうになり
かなりヒヤっとした記憶があります。
「なんだかフラフラしているなぁ…」と思って
少しスピードを落としていたのが幸いでした。
---
> パニックに陥られたりしたらかえって危ない…
> 遅めのスピードをキープしてあげなければならない…
こういう、見えないサポートをしてあげられる人は最近見ないですね。
むしろそれに気づかず逆に周囲からブーブー鳴らされる始末。
運が悪かったとあきらめて、できるだけササっと逃げるようにしています。
投稿: るー | 2016年8月29日 12:37
るー さん:
「あるある」 以上のケースでしたよ。
二車線のど真ん中を占有して延々と走り続ける人は、初めて見ました。
ちょっとアルツハイマーが入ってるかな (助手席のばあさんも含めて) とさえ思いましたから。
投稿: tak | 2016年8月29日 21:51
ああ…私、ばあちゃんドライバーに対し、厳しいことを書いたかもしれません。でも、歳をとってクルマの運転が危なそうだったら、周りが止めてあげるのがいいんじゃないでしょうかね。死人を出さないうちに。
うちの亡くなったオヤジは、「これはもう返したほうがいいな」と思い、運転をやめ、それからしばらくして亡くなりました。それだけはオヤジを尊敬しています。
投稿: はぎ腹みづ寝 | 2016年8月29日 22:30
はぎ腹みづ寝 さん:
本当に、周囲が止めてあげる方がいいと思います。マジで。
投稿: tak | 2016年8月30日 23:38
夜分に恐れ入ります。
当記事を拝見し、触発されて拙宅ブログに記事を掲載いたしました。
ご報告申し上げます。
リンクを貼らせていただくつもりでしたが、当方技術なく、当コメント欄での報告となりましたこと、ご容赦ください。
投稿: 乙痴庵 | 2016年8月31日 23:23
乙痴庵 さん:
>「ワシが若い頃は、こんなところに信号は無かった!」と、信号無視を咎められて憤っているご老体の話を聞いたことがあります。
そりゃまた、スゴい! (^o^)
投稿: tak | 2016年9月 2日 05:27