好きなものを最初に食うか、最後に食うか
昔から語られてきたテーマだが、人間には好きなものから先に食べるタイプと、好きなものは最後までとっておくタイプの 2通りあるようなのである。長男は最後までとっておくタイプが多いが、次男、三男となると、さっさと食べないとなくなってしまうので、最初に食べるタイプが多いという説もある。
私は長男のためかどうか知らないが、最後までとっておくタイプだと思う。基本的に嫌いな食べ物なんてないのだが、特別好きってわけじゃないという食べ物というのはいくらでもある。そして「先憂後楽」というにはみみっち過ぎるだろうが、まず好きなわけじゃない食べ物をさっさと胃の中に放り込んで、目の前から消し去ってしまい、好きな食べ物だけにしてから食べる楽しみを味わいたい。
ところが、この習慣は誤解を呼んでしまうことがある。子どもの頃、「お前はこれが好きみたいだから」なんて言って、好きでもない食べ物を食わせられることが度々あった。どうやら親としては、息子が最初に息せき切って食ってしまうものを、「ウチの子の大好物」と思い込んでしまうようなのである。
私としては、最後まで残してゆったりと食うものの方を頻繁に食わせてらいたいのだが、親としては逆に「最後まで食べないのだから、嫌いなのだろう」と、あえて献立から避けてしまっていたらしい。この世の中が思い通りにいかないのは、誤解で成り立つ部分が大きいからである。
ところで、好き嫌いのある人間というのは、好きなものだけ食べて、そうじゃないものは食べないという食習慣を作ってしまった者のことをいうのだと思うのである。私は逆に、どうでもいいものは最初に片付けてしまう習慣を身につけたので、好き嫌いなんてことは意識したことがない。というか、好きじゃないものに箸を付けなかったら、腹が減って仕方ないではないか。
とくに育ち盛りの年頃は、口に入るものはなんでも食っておかなければ腹が満たされない。私は子どもの頃からちょっと体が大きめだったから、「嫌いなものは残す」なんて贅沢は考えられなかった。「とりあえず食う」のである。ところが最近の飽食の時代の子どもというのは、「とりあえず食わない」という態度が身についてしまって、食わず嫌いが多いのである。
私は「とりあえず食う」のでなければ腹が減って仕方がないというぐらいの状態の方が、人間にとって幸せなんじゃなかろうかと思っている。
ちなみに、上の写真は先日の北海道出張で食した 「ぼたん海老」というものだ。これは美味かった。私はまずどうでもいいものを先に食って、ぼたん海老みたいなものを最後におもむろに食いたいと思ってしまうのである。
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コメント
おもむろに
ここが重要ですね。
長男で型通りですが、好きな物は後の楽しみですよ。
おもむろに、が重要なんです。
投稿: 乙痴庵 | 2016年9月 6日 20:26
乙痴庵 さん:
まさに、「おもむろに」 は重要なキーワードです (^o^)
投稿: tak | 2016年9月 7日 21:43