「もう昔の北海道の気候じゃない」 という実感
昨日、北海道への出張から帰ってきたが、「涼しい北海道で一息つこう」 という期待は完全に裏切られた。台風 10号が南の空気を呼び込んだまま去ってしまったようで、9月の声を聞いたというのに、蒸し暑さに汗びっしょりという北海道になってしまった。
前日は夜遅くホテルにチェックインしたので、そのまま爆睡してしまい、9月 1日の朝早く目が覚めてテレビを点けると、台風 10号の被害状況が生々しく伝えられている。その前の台風 11号が北海道直撃という進路を辿り、さらに迷走していた 10号が東北を横断したために、その北に広がる雨雲が北海道を襲ったようだ。
ただでさえその前から続く大雨で水をたっぷり含んでいた土壌が、たまらず決壊してしまった地点が多く、北海道の地元放送だけに、各地の被害を詳しく伝えていた。これまでの北海道の常識では考えられなかったような惨状である。
今回は道東の遠軽(えんがる)という町に行ったのだが、まるで亜熱帯のような蒸し暑さで、9月の北海道の爽やかな風なんて、ちっとも吹かなかった。帰りの飛行機に乗る頃には、体中汗だらけという感覚だった。
北海道への旅行は天候に気を遣う。普段の年なら、夏でも日が暮れれば上着を羽織らないと肌寒く感じるほどだから、内地の感覚は役に立たない。
今年の 5月末には釧路と根室を訪問したが、低気圧の影響で季節が逆戻りしたような寒さだった。初日は「ダウンベストを持ってきてよかった」 と思ったが、2日目には「分厚いダウンパーカにすればよかった」と後悔したほどだ。
そうかと思うと、6年前の 8月末に小樽に行った時は、32度以上という暑さに驚いた。小樽は長崎や尾道と同様に坂道が多いから、炎天下を歩くうちに脱水症状寸前みたいになった。土地のばあさん連中も「わたしゃ、70年以上生きてるけど、こんな暑いのは初めて」と音を上げていた。こちらとしても、その夏は大変な猛暑だったから、「涼しい北海道で人間らしい気持ちを取り戻そう」と思っていたのだが、それは甘すぎた。
同じ年の 1月には、江差付近の猛吹雪で札幌から動きが取れずに一度追い返され、1週間後に出直すという経験もした。あの時は、札幌駅の北口ロータリーから、駅舎が見えないほどの大変な地吹雪だった。さすが北海道である。
ただ、いずれにしても北海道の地元の人たちも、「もう昔の北海道の気候じゃない」と感じておられるようだ。「まるで内地みたいな暑さになるし、台風が元気なうちに直撃してくる」という現実は覆せない。
地球温暖化は今、まさに実感として迫っている。
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