二重国籍ということについて
民進党代表選が、本命、蓮舫氏の「二重国籍」 問題で炎上気味になっている。彼女は昨日、台湾代表処に台湾籍を放棄する書類を提出したとし、「そのことによって、しっかり私は日本の法律の下では日本人です」と言明したという。(参照)

しかし疑惑となっているのは、彼女が日本人かどうかなんてことではなく、二重国籍だったのかどうかということだ。それに関しては、今頃になって台湾籍を放棄する書類を提出したというのだから、疑惑はますます深まったとみるのが常識的な考えだろう。
彼女の言うように台湾籍をとっくに放棄していたというのなら、一度放棄したものを今さら「改めて放棄する」というのは、論理的に矛盾する。そんな話が通ると考えているなら、彼女も民進党も国民を馬鹿にし過ぎだ。
時事通信は、「二重国籍かどうかについては、(蓮舫氏が)『台湾に確認を求めているが、まだ確認が取れていない』と説明した」 と報じている(参照)。政治家が自分の国籍を自分でちゃんと説明できないというのは、非常識と言うほかない。単一の国籍しか認めないこの国で、二重国籍のままずっと生活していたのかもしれない人間が、政党の代表代行を勤めているという段階で、彼女と民進党は大きく信頼を損ねたと言っていい。
もし彼女が二重国籍のまま政党代表代行を勤めていたとして、それがなぜいけないのかといえば、端的には日本の国籍法に違反するからである。さらに言えば、多重国籍を認める国においてすら、政治家は単一の国籍でなければならないとするケースが多い。やはり問題ありすぎだ。
と、ここまでは原則論である。蓮舫氏の二重国籍疑惑が問題というのは当然として、私個人としては、政治家ならぬ一般人が二重国籍をもつのは、「あり」でもいいじゃないかと考えてしまうのだ。
二重国籍のデメリットというのは、既に指摘されている。Wikipedia は「多重国籍」という項目で、「複数の国家から国民としての義務(兵役など)の履行を要求されたり、いずれの国家の外交的保護を認めるかという点で紛糾を生じる場合がある」と指摘している(参照)。極端なケースで言えば、互いに争っている 2つの国の国籍を持つ人間が、その 2つの国から兵役の義務履行を求められたりしたら、とんでもない股割き状態になる。
ただ、一般的にはそれほどの大きな問題は生じないだろうと思う。どちらかを取らなければならないというのっぴきならない状況になった時に、どちらかを選べる権利が保障されてさえいれば、それでいいように思えるのだ。私なんか「二重国籍」なんて聞くと、その響きの良さにあこがれてしまうほどである。
ただ、やっぱり政治家が二重国籍というのは、問題ありすぎである。それは言うまでもないことで、「お前、どっちの国のために働いてるんだ?」と言われかねないではないか。
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コメント
二重国籍じゃダメなんですか?
このように開き直る手もある。
それにしても、民進党はダメダメだ。
本人も一片の疑問を感じないで今まで国会議員をやっていたとは。
投稿: ハマッコー | 2016年9月 7日 22:49
ハマッコー さん:
周囲は結構気にしていたのに、当の本人がまったく無頓着だったみたいですね。政治家としての資質の問題でもあるように思われますが。
まあ、資質の問題を抱えた政治家はゴマンといますけどね ^^;)
投稿: tak | 2016年9月 7日 23:23
二重国籍自体の問題より、ごまかそうとしたり、すごんで見せたりする姿勢が嫌な感じですね。
「なんだ、フツーの政治家じゃん」って感じです。
感情論を抜きにしても、どうにもならない問題が起きたときの対処に関するスキル、あるいは大局観、誠実さ、周囲のサポートといった要素が全て不足していることが明白なので、その点で首相になり得るポジションに就く資質がないと言えますね。
最初に指摘された時点でその後の展開は読めたはずなのに。
投稿: きっしー | 2016年9月 9日 08:08
きっしー さん:
まさに、危機管理能力の点で問題ありすぎです。
民進党全体としても、「触らぬ神に祟りなし」的な雰囲気で、誰もまともに取り上げていないのが、信じられません。
投稿: tak | 2016年9月 9日 13:29