明晩、実質的な中秋の名月が見られるかも
今夜は中秋の名月(旧暦の 8月 15日)だというのだが、あいにく空は雲がかかっていて、真ん丸のはずの月は写真のごとく薄ぼんやりと滲んで見えるのみである。
このところの中秋の名月は、1年おきにすっきりと見えたり、雲に隠れたりしているような気がする。去年はとてもよく見えた(参照)から、今年はこの程度でしょうがないかもしれないが、せっかく新暦でも本日「9月 15日」が「十五夜」(旧暦の 8月 15日で、ちょうと 1ヶ月違い)となっているのだから、本当は晴れてもらいたかったところである。
ところで、今日の TBS ラジオ『たまむすび』で、「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」 という古い和歌について触れられていた。ところが出演者は誰もこの和歌の意味をよくわかっておらず、聴取者からのメールでようやく合点がいっていたのである。
私はこの時唐突に、「ああ、永六輔さんは本当に亡くなってしまったのだなあ」と感じてしまった。永さんが生きていて、ラジオ・パーソナリティを務めていたとしたら、この歌なんてまさに常識としてご存じで、その解説もすっきりとしてくれていたに違いない。ところがその後の世代になってしまうと、「なんのこっちゃ?」になってしまっているのである。時代は変わってしまった。
言うまでもないが、この歌の意味は、「毎月のように夜空に月は見えるけれど、本当に見事な月を見ることができるのは、この月(旧暦八月)であって、この月の月こそ『ザ・月』だ」というようなことである。遊びの多過ぎる歌ではあるが、まあ、趣向として楽しめばいい、
で、なんでこの月の月が「中秋の名月」なのかというと、旧暦では「7月、8月、9月が秋」ということになっていて、その秋の真ん中の月である 8月を「仲秋」という。そして、その月の真ん中の 15日が「中秋」で(字の違いに注目)、その夜の月が「中秋の名月」とされているわけだ。
ところが細かいことを言うと、今夜の月齢は 14.12 だが、明日は 15.12 となる。つまり、明日の夜のお月様の方が、より満月に近いのだ。そして天気予報を見ると、関東地方は明日の夜 9時頃から空が晴れるらしいのである。ということは、明日になれば名を捨てて実を取るかのように、「実質的な中秋の名月」が見られるかもしれないのである。
明日の夜を楽しみに待とう。
【9月 16日 追記】
期待したとおり、16日の午後 9時半過ぎに雲間が途切れ、一夜遅れの名月が望まれた。(参照)
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コメント
「実質的な中秋の名月」
なんか、政府答弁みたい…。
当地も、今夜は雲のかからない名月を楽しめたらなぁ。(蚊との闘いとともに)
投稿: 乙痴庵 | 2016年9月16日 12:37
乙痴庵 さん:
政府はどちらかというと、実質を捨ててでも名を取る傾向があるように思えます (^o^)
投稿: tak | 2016年9月16日 15:00