自身の国籍問題に関する、蓮舫氏の信じられない無頓着
民進党の蓮舫氏が一連の二重国籍疑惑について、「台湾籍が残っていた」と説明し、これまでの混乱について謝罪した。つい数日前までは、17歳で日本国籍を取得した際に、父が台湾国籍を抜いたものと認識していると説明していたが、それが間違いだったことになる。国籍という重要問題に関する態度としては、ちょっとテキトー過ぎるよね。

既に 9月 7日の記事でも明らかにしているように、私は二重国籍に関しては、「そういうことがあってもいいじゃないか」と思っている。しかしこと国政にあたる政治家に関しては一つの国籍でなければならないという立場だ。世界の多くの国でもそのように規定されている。
日本の国籍法は「国籍単一」を原則としており、「20歳に達する以前に日本国籍とは別の国籍を持つ資格がある多重国籍の状態になった場合は 22歳に達するまで、20歳に達した後に多重国籍となった場合は多重国籍となった時から 2年以内に国籍の選択をすべき」(Wikipadeia より) とされている。
要するに二重国籍になった場合は、どちらかの国籍を選択して速やかに解消すべきものとされているのである。従って蓮舫氏は勘違いからとはいえ、日本の国籍法(かなりザル法に近い状態のようだが)に違反した状態を、これまでの人生の半分以上の期間にわたって継続していたわけだ。
一時は閣僚まで務め、さらに民進党代表戦の立候補者となった今、これまで国籍法違反の状態を続けていたと自ら明らかにしたからには、「籍を抜く手続きが完了すれば、この問題は終わります」という発言は、政治家として極めて無自覚でユル過ぎるというほかない。過去に「事業仕分け」問題についてはあれだけ厳しく切り込んだのに、「他人には厳しく、自分には甘い」と思われてもしかたない。
過去にもいろいろ取り沙汰されてきたにも関わらず、自らのアイデンティティの基盤ともなる国籍問題について、あいまいな記憶に頼るだけで、何らの確認手続きも行わず、無頓着なままでスルーしてきたというのは、「政治家としての資質」という観点からもいかがなものかと思ってしまうのだよね。何らかの落とし前をつける意味からは、今回の民進党代表戦から降りるぐらいのけじめはつけるべきなんじゃなかろうか。
そして問題はそれだけではなく、さらに複雑なところがある。それは「一つの中国」の原則からすると、彼女の説明は全てナンセンスに帰してしまうということだ。Livedoor News は次のように政府関係者の見解を伝えている。(参照)
この問題について日本政府関係者は、仮に蓮舫氏が「台湾籍」を残したままにしていても日本政府が台湾を国と認めていないことなどから二重国籍とはならず、国籍法違反には当たらないとの見解を示している。
中国においては、中国籍を持つものが他国の国籍を取得した時点で、自動的に中国籍が失われるということになっているらしい。だったら、「台湾は中国の一部」という公式見解からすれば、彼女が日本国籍を取得した時点で「中国籍」は失われたことになり、何の問題もない。今さら「台湾籍」が抜かれていたかどうかを議論すること自体が無意味なこととなる。
とすると、「台湾籍が抜かれていたかどうか」を問題としてきた彼女の態度は、日本の外交原則から外れていることになる。これは二重国籍かどうかなんてことよりも、政治家としてはより根本的な問題だ。彼女はこの点についてもきちんと説明しなければならないはずだが、これまた無自覚なようで、今のところ、まったくスルーしている。
いずれにしてもこうした問題は、彼女にとってはとっくにクリアされていなければならなかったはずのことである。もし私だったら、こんな重要なことを曖昧なままで放っておくなんて、気持ち悪くてできない。一日も早く筋を通してけりを付けたいと思うだろう。よくまあこれまで無頓着でいられたものだなあと、ちょっと呆れてしまうのだよね。
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コメント
>こんな重要なことを曖昧なままで放っておくなんて、気持ち悪くてできない。
おそらく日本人の多くはそう思うでしょう。
>一日も早く筋を通してけりを付けたいと思うだろう。
少しぐらい自分が損をする結果になってもキチンと決着をつけたいというのが日本的と思います。それから禊をすませて再出発しようというわけですね。
しかしながら、あいまいなままぐずぐずと揉めながら最大限自分の利益を追求しようと考える人々もいます。
彼女はそっち側ということで、最終的な国籍はともかく心情的には多くの日本人の側に立っていないことがハッキリした事件と考えます。
投稿: ちくりん | 2016年9月14日 08:23
ちくりん さん:
なるほど。説得力のあるご指摘です。
彼女のメンタリティは極めて中国的なのですね。
投稿: tak | 2016年9月14日 20:31