トランプのオウンゴールで……
8月 11日に「米国って人がいないのか」という記事を書いた。今回の米国大統領選挙が、「嫌われ者同士の戦い」になってしまっていて、「どっちが少しはマシか」という判断での投票になりそうだという内容である。
で、選挙戦終盤になって、ようやくトランプの嫌われ度の方がずっと高いようだということになり、ヒラリーの勝利が見えてきた。トランプは失言という名のオウンゴールのせいで、共和党内部ですら嫌われてしまったのだから、しょうがない。共和党議員にしても、このままトランプを支持し続けたら次の自分の選挙が危ないと悟り、さっさとずらかり始めたようなのだ。
私は 13年前、まだこのココログを始める前に「ヒラリーの『あざとい』自伝」という記事で、「多分、彼女は米国で初の女性大統領になれるだろう。しかし、それは米国社会の底の浅さを物語るものでもあるような気がする」なんて書いている。我ながらうがったことを書いたものだ。ちなみにその記事を書いた日、私は米国のシカゴにいた。書店に行ったら、彼女の自伝が山ほど平積みにされていた。
その後、10年前には「ヒラリーは、ただスマートなだけかも」なんて散々なことを書き、さらに 8年前の「賞味期限切れのヒラリー」という記事では、前言を撤回して「米国初の女性大統領になるのは、ヒラリー以外の誰かだろう」とまで書いている。まあ、確かにこの時は予備選段階でオバマに負けた。
ところが私ってば、去年の夏に「生き返ったヒラリー・クリントン」という記事で、さらなる前言撤回で前々言に立ち返り、「今回ばかりはヒラリーも過去 2回でかなり学んでいるはずだから、期待していいかもしれない」と書いている。で、まあ、本当に今回ばかりは大統領になれそうというところまで来たわけだ。
私としては今になっても、「ヒラリーが大統領なんてことになったら、つまらんなあ」という思いなのだが、いずれにしてもトランプよりはマシだろう。何しろ「怖いもの見たさ」でトランプに乗っかりかけた米国人の気紛れが、ここまで持続してきたことの方が、私にとっては驚きである。
ところで、この記事の上の方にある写真をクリックすると、トランプの言動に負けないほど悪趣味だが、アメリカン・プロレス好きなら苦笑いしながら楽しめちゃいそうな YouTube 動画に飛べる。
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