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2016年10月 4日

「勉強お断り」 のサイン

公共図書館で勉強している高校生の姿を見るにつけ、「なんでこんなところで勉強してるんだろう」と思っていたが、最近はショッピングセンターのフードコートやコーヒーショップで勉強する姿が目立つようになった。それで「勉強禁止」のサインがあちこちに張り出されるようになっている。

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「はまにゅうす」 というサイトに "「高校生 なんでスタバで勉強をしちゃダメなの?」 ←論破不可能" という、とても不毛なページがある。「誰にも迷惑かけてない」という主張と、それに対して「いや、迷惑だろ」と指摘する主張が、まったくかみ合わないのである。

いよいよ煮詰まってしまったあたりで、「むしろなんでスタバで勉強したいの? そんなにドヤ顔したいの?」なんていう書き込みが出てくる。そしてそれに対してさえ、「仮に見栄で勉強してるとしても、それが勉強してはいけない理由にはならないよね (笑)」なんてのまである。

私はこうした不毛なやりとりを読みながら、「へえ、最近は人前で勉強するのが『見栄』だったりすることがあるのか」と驚いた。このやり取りの中で一番大きな驚きだったかもしれない。スタバで勉強することが「ドヤ顔」をする要素たり得るとは、想像もしなかった。

私が中学や高校に通っていた時代は、人前で勉強するのはとてもカッコ悪いことだった。そんなことをしたら「ガリ勉」(これって、平成の御代では死語かもしれないけど)と後ろ指を指されたものだ。

私の中学時代の成績はものすごく良かったから、周囲の連中には「あいつは影でこっそりガリ勉してるに違いない」なんて陰口を叩かれた。しかし、正真正銘、勉強なんてしなくても成績は良かったのである。「授業中に全部わかっちゃうんだもの、この上、何を勉強しろっていうの?」と思っていた。

だが高校に入ってしまうと、さすがに少しは勉強しないと成績が落ちる。で、私の成績もガタ落ちしたので、ようやく「あいつは本当に勉強していないらしい」と認められるようになった。それでせいせいしたのを覚えている。

ところがその頃になって、周囲の連中は手の平を返したように人前で勉強することを恥じないようになった。ズルいなあ。人が勉強すると陰口を叩くくせに、自分は抜け駆けしてでも勉強するのである。

結論から言うと、私は高校 3年の冬まで受験勉強というものをまったくせず、12月と 1月の 2ヶ月だけちょちょっとやったら、ワセダに受かってしまった。それについては、「入試シーズンになると思い出すこと」  「偏差値 39の受験生が、2か月で一流大学に合格した話」という記事に書いた通りである。

とにかくまあ、時代は変わったものである。私は人前で勉強するのさえカッコ悪いと思っていたのに、スタバやフードコートで勉強するのが「見栄」と思われるというのだから、これが驚きでなくてなんだろう。私の時代に「勉強お断り」というサインがあったら、さぞかし嬉しかっただろうと思う。

 

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