黒パン礼賛
3日前に長崎まで行った際に乗った ANA の機内誌で、黒パンの特集をしていた。ドイツの黒パンのお話である。タイトルの「今日も黒パン 明日も黒パン」というのが気に入った。もちろん 「今日もコロッケ 明日もコロッケ、これじゃ年がら年中コロッケコロッケ」 という昔の歌にちなんだもので、「年がら年中黒パン」というココロなのだろう。
私が初めて行った外国はドイツである。25歳の時に、出張で行ったのだ。フランクフルトでは年に 2回インターストッフという布地の国際見本市が開かれていて、繊維業界紙の記者をしていた私は、以後何度も訪問した。
そして初めて訪問した時から、ドイツの黒パン文化に馴染んだ。ドイツの普通のレストランで供されるパンは、黒パンしかないみたいなものだったが、そのみっちりとして、やや酸っぱさのある食感が気に入ったのである。「パンというのは、こんなにおいしいものだったのか」 と思ったほどだ。
ドイツを訪れた日本人の、ドイツ独特の黒パンに対する反応は、きれいに 2通りの分かれる。「ドイツのパンには馴染めない」という反応と、「黒パンも、なかなかいいものですな」という反応だ。そして「馴染めない」派の方がずっと多い。さらに私のようにみっちりとした黒パンの方が気に入ってしまい、「白くてふかふかのパン」に物足りなさを感じてしまう日本人はごく少数派だ。
日本でパンの定番と言えば、山崎の食パンだろう。まさに「白くてふかふかのパン」そのものだが、我が家では「つまらないものの代表」みたいに思われている。とくに私なんかは、「何が悲しくて、あんな味気ないパンを食うのだ」と思っている。「まずい」とか「嫌い」とかいうわけでは決してないが、金を出してまで買って食う理由がまったく思い当たらない。
日本は物が豊富にあって、いろいろなもののが選べると思われているが、ことパンに関しては、やっぱりその奥行きがない。おいしい黒パンを食べたいと思っても、なかなか手に入らないのだ。我が家では手作りの天然酵母パンを食すのだが、ライ麦がフツーに入手できる環境にないので、黒パンはまだ作ったことがない。
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コメント
今でもパンを焼いておられるのですね。
酵母は、元気でしょうか。
もしライ麦をご所望でしたら、全粒粉を用立てましょうか。
いつでもご連絡ください。
投稿: Mikio | 2016年10月16日 08:26
Mikio さん:
酵母は元気で生きていてくれてます。
こねる時は 「かわいい酵母ちゃん」と声をかけながらやると、プクプクと応えてくれます (^o^)
おお、ライ麦が入手できるのですね。妻と相談してみます。ありがとうございます。
投稿: tak | 2016年10月17日 01:53