白鷺の冬支度
寒々しい一日だった。明日はもっと寒くなって雪が降るかも知れないという。関東で 11月に雪が降れば 54年ぶりだというし、都心で積もるようなことになると観測史上初めてということになるらしい。まあ、いずれにしても私の郷里の冬の初めみたいな陽気である。
そんなわけで、今日はスタッドレス・タイヤに交換した。明日は栃木県の県境辺りまででかける用があるので、もし雪が積もったら大変なことになる。降らなければ、いや、降ったとしても積もらなければ儲けものというつもりで、念のために履き替えたのである。
本当は、こんな時期にスタッドレスにしたら、来年の 3月初めまで 3ヶ月以上もずっと付けっぱなしになるので、長持ちしなくなる。いつもの関東の冬なら、年明けに交換すればいいので、2ヶ月ぐらいで済むのに。まったく物入りなことである。
明日の運転で心配なのは、雪による渋滞の発生だ。私自身はスタッドレス・タイヤで出かけることになるので、多少の雪は全然大丈夫なのだが、回りのクルマが何の対策もしていないと、やっぱり動きが取れなくなる。とくに橋の手前で土手に昇るちょっとした登り坂にさしかかったとたんに、スリップで動けなくなるクルマが多く、そうなったらこちらは降りて 1台ずつ押してやらなければならない。
極端にいえば 1台動けなくなったら、その後ろは軒並み動けなくなってしまうので、大迷惑なのである。関東のドライバーは雪を甘く見すぎている。ウチの田舎では考えられないことである。
とにかく昨日の地震といい、早々の雪予報といい、天と地はかなりの変動期に入っているのだろう。裏の川に舞い降りた白鷺は、冬を生き延びる体力を今のうちにつけておこうと、いつにも増して熱心に魚をついばんでいた。鷺が魚を捕らえる一瞬の早業を、生まれて初めて写真に撮ることができた。上の写真がそうなのだが、小さな魚をくわえているのがわかるかなあ。
9年前の大晦日に「水鳥として生まるれば水に棲む鮒を喰らふに鵜はためらはず」という歌を詠んだが、まあ、当然ながら鵜だけでなく、白鷺だってためらわないんだね。生きとし生けるものの冬支度である。
それにしても当時のコンデジでは目一杯望遠を効かせても小さくしか写せなかったが、最近のはこんなに大きく撮れるようになったのがちょっと感慨深い。
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