今年は JR の急行列車の定期運行が全廃されたらしい
「近頃 JR じゃ 『急行列車』 というのがめっきり減っちゃったなあ」 と思っていたら、今年 3月の北海道新幹線開業に伴い、最後の急行「はまなす」が廃止されて、これで JR には定期運行される急行列車というのが 1本もなくなってしまったのだそうだ。
「へえ! じゃあ 「特急(特別急行)」 という名称の意味がなくなっちゃったんだから、ぜんぶ『急行』にしちゃえばいいじゃん!」と思ったのだが、よく調べると、今後も臨時急行列車が走る可能性があるので、「特急」の名称はそのままなのだそうだ。
世の中には、「すべて『急行』として、時々臨時運行される昔の急行に相当する便は、『準急』とすればいい」 と言っている人もいるようだが、まあ、それだとややこしくなるので、現実的にはずっとこのままなのだろう。JR は特急のことを英語で "special express" と言っているようだが、こうなったらちっとも「特別」でも「スペシャル」でもないのだがね。
思い起こせば、私が学生時代は「鳥海」という名の急行列車があり、上野駅始発で、上越線の長岡を経由して羽越線に入り、日本海岸を北上して秋田まで行っていた。夜行の普通席で行くと、一晩中固い座席で揺られ(あるいは満席で座席に座ることすらできず)、朝になってようやく到着していた。
所要時間は約 9時間。飛行機だったら米国のシアトルまで行ける長旅である。あの頃は若かったから、そんな旅もごく普通のことと思っていて、6時間で行ける特急「いなほ」は、ちょっとした贅沢という認識だった。
今なら上越新幹線の「とき」と 羽越線特急の「いなほ」を乗り継いで 4時間 20分足らずで行ける。昔の急行の半分以下の時間だが、今はその急行列車がなくなったので、これが標準の行き方になってしまった。山形新幹線で新庄まで行き、そこから陸羽西線で酒田まで行けば 610円安上がりになるが、時間は 1時間ほど余計にかかる。
で、実際に上越新幹線〜羽越線特急というルートを使って酒田まで行くと、新潟で乗り継ぐ特急「いなほ」の停車駅というのが、昔の急行「鳥海」の停車駅とほとんど同じなのだ。つまり、昔の急行が特急に格上げされているだけなのである。まあ、特急の快適な車両だし、スピードもそれなりに速くなっているので、「ぼられてる」という感覚はないが、多少は「なんだかなあ」と思ってしまう。
というわけで、田舎に行くのに特急料金を取られたくなかったら、夜行の高速バスを使えということなのかもしれない。ちなみに夜行バスだと、JR の特急を使う場合の半額で行ける。所要時間もほとんど昔の急行列車と同じぐらいなので、体力さえあればこれがオススメなのかもしれない。
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