« 「東京カリント」は、大阪で食べても「東京カリント」だが | トップページ | 「サンタクロースは本当にいる」 ってことに変わりはないのだが »

2016年12月 7日

カジノ合法化には反対しないが、「IR 法案」 には反対

「ギャンブル法案」 とか 「カジノ解禁法案」 とかいわれる 「IR 法案」 の ”IR" というのは、"Integrated Resort" (統合リゾート) ということなんだそうで、まあ、その中でカジノを解禁しちゃおうというのが、法案の目玉なわけである。英語にしちゃえば、カジノ云々が曖昧になるとでも思っているのだろう。

Casino_2

そんなようなカジノが目玉の 「統合型リゾート」 施設を日本のどこに造るんだか知らないが、推進派の議員の多くは、「もちろん自分の地元に」 と思っているようだ。要するに、既に利権化の道を突き進み始めているわけね。

実は私は 7年近く前に、カジノ合法化については「むしろ賛成」 と書いている。こんな具合だ (参照)。


しかし私はカジノの合法化に反対というわけではない。むしろ賛成である。私自身は興味がないが、興味のある人はやればいいというスタンスである。下手に非合法としているから、暴力団の資金源になったりする。やるならやるで、公明正大にやればいい。

ただ、ちょっと危惧するところがあって、次のように続けている。


ただ、ここで疑問なのが、「日本では既に 『パチンコ』 という公認カジノがあるではないか」 ということだ。パチンコが実質的に換金可能で、なんだかちんぷんかんぷんな建て前を装ってはいても、ギャンブルとほとんど変わらないのは誰でも知っていることである。パチンコを放っておいて、カジノ合法化もないではないか。

で、この当時は 「カジノ議連はパチンコの換金についても、カジノ法案と同じ仕組みで立法化していく方針」 としていたが、ここに来てそんな話は全然立ち消えになってしまっている。約束が違うのである。

ということは、日本中に 「パチンコという実質的ギャンブル場」 がいくらでもあるという状態はそのままにして、その上に 「統合型リゾートとしてのカジノ」 が造られるということになる。

日本は今でも実質的に 「世界一のギャンブル大国」 である。その証拠に、ギャンブル依存症患者は国内に 530万人以上いるといわれ、人口比率にすると約 5%と、世界でも断トツだ。そこら中で気軽にギャンブルができちゃうから、こんな数字になる。

ただでさえこんな状態なのに、その上に 「公認カジノ」 ができてしまったら、一体どんなことになるというのだ。私は 「パチンコ屋を整理する」 という前提でカジノ合法化に賛成したのだが、その前提が曖昧にされてしまっては、賛成する理由が失われたのである。

「ちょっとひどいなあ」 と言うしかない。経済効果にしても疑問で、国内のギャンブル好きは 「統合型リゾート」 なんていう面倒なところには行かず、相変わらずパチンコ屋に通い続けるだろう。

 

|

« 「東京カリント」は、大阪で食べても「東京カリント」だが | トップページ | 「サンタクロースは本当にいる」 ってことに変わりはないのだが »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

近所に住む夫婦がパチンコにはまっているのを知っていました。ある日、表札が外されているのに気が付きました。
私は、”追われているな”と直感しました。

マチキンから数百万の借金をしていたようで、最後は奥さんの実家に泣きついて借金を返し、田舎に逃げるようにして去っていきました。

こんなことが日本中で繰り返されているのに、パチンコという賭博に国会議員は何も声をあげない。

警察のトップは ”パチンコの景品が換金されているなんて聞いたことも見たこともない” なんて国会で証言する有様です。
「保育園落ちた日本死ね」が国会で俎上にのることはあっても、「パチンコで人生台無しになった」は俎上にのらない。この国は賭博の害悪に対して無関心すぎます。

投稿: ハマッコー | 2016年12月 8日 00:41

会社の金に手をつけるとか、白紙領収書を悪用するとか、架空取引して裏金作るとか、子会社を恫喝して協力金をせしめるなどの目的地を国内に増やすんですね!

地方のパチンコ屋も、地方競馬競輪競艇しかり、存続ピンチの話題が溢れてますねぇ。
もう、都市部で勝手にやっててくださいな。

投稿: 乙痴庵 | 2016年12月 8日 12:47

ハマッコー さん:

夫婦でパチンコにはまった挙げ句、そんなことになるんですね。やれやれ。

パチンコ業界が警察の天下り先になっているのは既によく知られた話で、何だかんだ言っても、裏じゃそんなことになってるんですから、お目こぼしが延々と続く構図です。

投稿: tak | 2016年12月 8日 18:24

乙痴庵 さん:

パチンコ業界も、一時の勢いはなくなっているようですね。不景気が続いて、パチンコに使う金もなくなっているんでしょう。

ギャンブルもある意味、アウト・オブ・トレンドで、地方都市がカジノ誘致に成功したとしても、期待ほどには儲からないでしょうね。

ラスベガスの空港やホテルにズラリと並んだスロットマシンも、見たところ稼働率は数パーセントにも達していない印象です。あんなのやってるの、カッコ悪いですもん。

投稿: tak | 2016年12月 8日 18:30

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カジノ合法化には反対しないが、「IR 法案」 には反対:

« 「東京カリント」は、大阪で食べても「東京カリント」だが | トップページ | 「サンタクロースは本当にいる」 ってことに変わりはないのだが »