「カジノ」を「カッシーノ」と言い換えたいんだってさ
JR 中央線の東小金井駅を降りると、その辺は「梶野町」というところで、「梶野公園」という公園もある。昔、よく散歩した辺りである。なんでまたそんなことを思い出したかというと、例の「IR 法案」の関連である。
電通が今年 6月頃に、「カジノ」という言葉のもつ悪いイメージ払拭のため、「カッシーノ」と呼ぼうなんて言い出していた(参照)。言葉の言い換えだけでイメージを変えちゃおうなんていうのはいかにも広告代理店らしい発想で、「じゃあ、東小金井周辺も『カッシーノ町』にしちゃえばいい」なんて思っちゃったものである。
「カジノ」というのは英語だと思っている人も多いが、"Casino" の発音は「カスィーノゥ」に近くて、頭にアクセントを置いて「カジノ」なんて言っても米国では通じない。「カジノ」に近い発音なのは、イタリア語やフランス語であるらしい。イタリアはマフィアの発祥地だから、「カジノ」じゃイメージ悪いとでも言うのかなあ。
まあ、いずれにしても「カッシーノ」ではどこの言葉としても通じなくて「何それ?」ってなことになるだろうし、下手すると「似非イタリア語」っぽくて、ますます怪しいマフィアを連想させたりするかもしれない。
その昔、博報堂がウールマーク・プロモーションに一枚噛んで、「昔は『ウール』は高級素材のシンボルだったが、時代の変化とともに古くさいイメージになってしまったので、『メリノ』と言い換えよう」なんて言ってたことがある。「メリノ」というのは、その毛が主として衣料用ウールとして使われる羊の種類だ。
ところが「メリノ・キャンペーン」なんてものを展開しても、「それ何?」となるのは当然の話で、せっかくよく知られた「ウール」のイメージまでおかしくなって、大金を使ったもののほとんど効果が発揮できなかった。今となっては、「メリノ」なんて言葉でウール需要を増やせるなんて誰も考えてない。
「カッシーノ」でギャンブルのイメージを改善できるなんて考えつつ、とんでもない長時間労働してる人には、「せいぜい長生きしておくれ」としか言いようがない。
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コメント
電子辞書で中ってみるとみると、「casino· cassino]
で語源は 「casa」で、「(イタリアの夏用の)小さな別荘」の意味もあるようです。発音は英語としては「カシーノゥ」みたいですね。
諺に、”There is no better gambling than not to gamble.”なんてのもあるようです。儲かるのはオペレイターだけです。
イメージを変えたければ「TOBA」のほうがいいですね。この方が外人観光客に受けるかも。
投稿: ハマッコー | 2016年12月26日 02:28
ハマッコー さん:
Casino が頭にアクセントのある 「カジノ」 じゃないってことは、別に調べなくてもわかりそうなものですが、あまり知られていませんね。
「007」の映画も、「カスィーノゥ・ロワイヤル」 ってなことになって語呂としてはこっちの方がいいかも 。
"Toba" (英語の人には 「トゥバ」 ってな発音かな) は、その気になってプロモーションすれば国際語になるかも しれませんね (^o^)
投稿: tak | 2016年12月26日 14:47