ステテコの考察
ちょっと季節外れかも知れないが、「ステテコ」というものについて書く。私はずっとステテコを持たなかったが、近頃になり、夏に浴衣以外の和服を着なければならない時などにはくために、仕方なく 1着だけもっている。最近はユニクロでも売っているので、スーパードライ素材のものを買った。
このステテコというのは決して外来語なんかじゃなく、純粋な日本語らしい。『語源由来辞典』というサイトには、次のようにある。(参照)
明治時代に流行した「すててこ踊り」という滑稽な踊りに由来する。 すててこ踊りとは、明治初期に宴席で江戸吉原の太鼓持ちが、うしろ鉢巻きにじんばしょり、半股引姿で踊る踊りで、鼻をつまんで捨てる真似をし、「ステテコ ステテコ」と歌ったことから、「すててこ踊り」という名が付いた。
京ちぢみの山城という通販サイトの記事(参照)によると、これは初代三遊亭円遊が明治 13年頃に寄席で踊って流行らせたものであるらしい。彼は「鼻の円遊」といわれたほど鼻が大きかったので、この踊りを踊りながら自分の鼻をつまんでひょいと捨てる振りをしていたらしい。上の画像は、山城のサイトから拝借した。
その踊りを踊りながら歌っていた歌は、『瓢箪ばかりが浮き物か 私もこのごろ浮いてきた。さっき浮いた さっき浮いた すててこすててこ 』というものだったようだ。
「ステテコ」 というのは三遊亭円遊のオリジナルというわけではなさそうで、鳴り物の太鼓の音を「ステテコ、ステテコ」と表現したものと思われる。それに三味線の音を加えれば「ステテコ、シャンシャン」になる。
それに、ステテコ踊りの「浮いた」という言葉から連想すると、「丼鉢ゃ浮いた浮いた ステテコシャンシャン」もその系統に入れられる。曲名はその名も『ステテコシャンシャン』で、レコードにもなって残っており、YouTube で聞くことができる。
それに私の好きな 『かっぽれ』 なんかを踊る時にはいてる「股引」もステテコの一種なんだろうと思われる。
こうしてみると、ユニクロのカラーを採り入れたステテコというのも、決して奇をてらったものというわけじゃなく、伝統に沿ったものともいえそうなのである。
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