Windows PC の時代の終わり
iPhone Mania が 「対 Apple の Windows 優勢は 2017年に終焉を迎える〜調査会社予測」という記事を伝えている。この見出しは元記事の "Microsoft’s OS supremacy over Apple to end in 2017" (ComputerWorld)のちょっとぶきっちょな直訳だが、要するに Windows の出荷台数は今年、MacOS と iOS を合計したデバイスに抜かれるというのである。
間の悪いことに、iPhone Mania の記事では何の手違いか、表示されているグラフが関係ないデータを示してしまっているので、元記事からグラフを拝借して上に表示しておいた。(念のために言うと、Windows PC は、既にずっと前から Android デバイスには完敗している)
2016年までは、グラフの茶色で表される Windows 搭載のデバイス (ほとんどが PC) が、ベージュの iOS と OS X(MacOS)のデバイス(つまり Mac と iPhone/iPad)を出荷ベースで僅かに上回っているが、今年は逆転し、その後も差が少しずつ拡大するとみられている。
その要因は、グラフからも明らかに読み取れるように、Windows 搭載 PC の出荷が減少してしまったことだ。一方、Apple のデバイスは 2012年から 15年までは増加しているが、その後はやや減少し、来年から再び緩やかに増加するとみられている。
つまり、Apple の Mac と iPhone/iPad が増えたり減ったりしつつも、長い目で見れば大きな減少はみられないのに対し、Windows PC は減少が目立つために、今年で逆転してしまうということのようなのである。Microsoft のマーケティングが PC に頼りすぎていて、それが失敗であることを如実に示している。
Windows PC の減少は今年で底を打って、その後は横ばいで推移するとみられているものの、出荷数は 2億 5000万台をやや上回る程度で、3億 5000万台近かった 2012年と比べると、5年間で約 25%も減少してしまうことになる。
私は 2014年の 7月に "「PC の時代」の「終わりの始まり」" という記事を書いた。本当に「PC の時代」は、あの頃から確実に終わりを迎えているのである。
私の回りには 65歳を過ぎて初めて PC に挑戦しようとしている人が何人かいるが、私は「悪いことは言わないから、止めときなさい」と言っている。今頃になって何のお遊びのつもりか知らないが、さして必要に迫られてもいない PC を始めようなんて、タイミングを逸しすぎている。
しかし彼らは言う。「いやぁ、今どきやっぱりパソコンぐらいは、ものにしたいじゃないですか」
私はさらに率直に言う。「そう思うんだったら、遅くとも 10年前に始めておくべきでしたね。こう言っちゃ悪いけど、あなたが今さら PC を始めても、スマホのレベルにすら達しないのは目に見えてます。無駄遣いは止めとく方がいいです」
「じゃあ、どうしたらいいの?」
「あなたの持ってるその大昔のガラケーを、iPhone に機種交換すればいいんです。どうせすぐには使いこなせないだろうけど、少なくともケータイとして使えて、メールぐらいはできるようになるだけましでしょ」
「いやぁ、あんなちゃっちいのより、パソコンでメールしてみたいんですよ。メールができるようになるだけでも十分じゃないですか」
「おぬし、全然わかっとらんな!」
どうせまともに使いこなせないなら、PC より iPhone の方がずっとストレスが少ない。それに下手に PC なんか持たすと、使い方がわからなくなるたびに電話で聞かれたり、プリンターの接続を頼まれたりするのがうっとうしいのだよね。
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