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2017年1月27日

米、メキシコ国境の壁の建設が始まってしまうのか

米国のトランプ新大統領が、メキシコ国境に壁を建設するという大統領令に署名した。これで実際に壁は建設されることになるのだろう。考えるだに馬鹿なことをするものである。こうなったら彼が大統領でいる 4年の間に壁の建設は完了せず、次の大統領が工事途中の壁をさっさと撤去してくれるように望む。

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メキシコ国境に壁を建設するなんてことが非現実的なのは、メキシコが「払わない」と言い、トランプが「メキシコ産品に 20%の関税を課して払わせる」と言っている費用の問題だけではない。環境的な見地からも悪影響が懸念されるし、実際の建設工事が始まったら、複雑な地形による困難さなど、多くの問題が浮上する。

まず壁建設により、砂漠の繊細なエコシステムが破壊されることが懸念される。ただでさえこの地域に生息する野生動物の多くが絶滅に瀕しているというのに、壁によって自由な移動ができなくなったら、食料やパートナーの確保が困難になり、絶滅の可能性がさらに高まる。

合衆国魚類野生生物局の 2016年のレポートによると、壁の建設により、絶滅危惧種 111種、渡り鳥 108種、4つの禁猟区および魚卵孵化場、および数え切れないほどの湿原に影響があるとされている。一度失われた環境は、それを取り戻すのに何倍もの時間がかかる。

また、壁さえ作れば密入国が防げるというわけではない。常に監視し続けなければ、壁を乗り越えるぐらいのことはそれほど難しくはない。3200km にも及ぶ壁全体を、どうやって見張り続けるというのだ。結局のところ、野生動物の自由な移動を妨げるだけのものになってしまう。

元々の地球には、国境なんていう線は存在しない。それは人間が勝手に作ったものだ。それは観念として存在し、物理的なものではないのだが、それを無理矢理に物理的な壁という形で固定化してしまおうというのは、意味のあることとは到底思われない。壮大なる無駄遣いに終わるだろう。

 

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コメント

ばかげていると、私も思います。
ですがそれは、島国である日本に住んでいるからで、陸続きの他国をもつ人々は、多少違った価値観が生じるのは必然かもしれません。
もし日本が、反日国家と陸続きの国境をもっていても、国境に壁を築けという意見は決して発生しないと言えるのか・・・
私は自信がありません。

投稿: らむね | 2017年1月28日 20:03

野生動物の観点でも、壁はNOですね。
いただけません。

投稿: 乙痴庵 | 2017年1月29日 11:48

らむね さん:

古くは万里の長城の例もありますが、「壁を築け」 と言い出す人はいても、実際に作るとなると、世界史の中でも稀な愚行ということになるでしょう。

投稿: tak | 2017年1月29日 23:07

乙痴庵 さん:

地球環境は人間だけのものではなく、野生動物には彼らなりの都合ってものがあるでしょうしね。

投稿: tak | 2017年1月29日 23:09

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