そもそも 「日本老年学会」 って、一体何なんだ?
日本老年学会という学会があるなんてことを初めて知ったのだが、この学会が、現在は 65歳以上とされる高齢者の定義を 75歳以上に引き上げることを提言しているのだという(参照)。私は今年の夏に 65歳になるので、晴れて「高齢者」の称号を獲得できるのを楽しみにしているのに、まったく余計なことを言うものである。

この様子だと私は、今年めでたく「高齢者」と言われるようになっても、もしかしたら数年後にいきなり「准高齢者」なんて妙な地位に格下げとなり、75歳になって再び「高齢者」に復帰するということになるかもしれない。図らずもややこしい世代ということである。
そもそも 65歳以上を「高齢者」と呼ぶのは、法的根拠はないらしい。とすると、今回の老年学会のことさらな提言というのをほんのちょっとだけ深読みすれば、そんなに深々とほじくり出すまでもなく、将来的な年金支給年齢のさらなる引き上げのための地ならしとしか思われない。
なにしろインターネットでググってみても「一般社団法人 日本老年医学会」とか「日本応用老年学会」とかいうのは見つかるが、 「日本老年学会」なんて組織に関しては「第29回 日本老年学会総会」という 1年半も前の総会の告知ページが見つかるだけ(ってことは、この学会、総会を毎年開いてないのか?)で、学会の公式サイトなんて見当たらない。
「一般社団法人 日本老年医学会」のサイトには、トピックスとして「高齢者の定義と区分に関する提言(概要)を掲載しました」(今年 1月 6日更新記事)というコンテンツが、さりげなく載せてあり、それには今回の提言が「日本老年医学会」と「日本老年学会」から委員を出したワーキング・グループで練ったものとなっている。
しかし、だったらどうして報道には「日本老年学会」の名前しか出てこないのか。ニュースによっては「日本老年学会など」なんて主語になっているが、どうして「老年医学会」の方の名前はことさらに伏せられているのか。そしてこんなに大きなニュースになったのに、「老年医学会」のサイトでは、まるでお義理で仕方なくみたいな感じで、ひっそりとしかリリースを載せていないのはどうしてなのか?
まるで単なる思いつきみたいな提言が、(ちゃんとした一般社団法人の方をさしおき) 今どき公式サイトもないようなアヤシい組織を主語として、いきなりのようにこんなにもメジャーなニュースとして取り上げられるというのも。唐突すぎて不自然な話である。実はその検討母胎が 「ワーキング・グループ」の体裁だったということからしても、政府肝いりの「出来レース」の臭いがプンプンしてくるじゃないか。
そんなわけかどうか知らないが、「75歳にならなければ高齢者じゃない」という話の成り行きには、反発している人が多い。日頃は「年寄り扱いされるのはイヤだ」なんて言っていても、金が絡むと話が違ってくるようなのである。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 音楽準備室って、音楽教師の「別荘」みたいなものだから(2026.07.03)
- 「ソナエルジュ」なんて、誰が言うんだ?(2026.06.13)
- 先週の「ドジ大賞」以上の「超ドジ」かも・・・(2026.06.05)
- 猛暑の場合は郵便物配達休止って、当然だと思う(2026.06.02)
- 大麻入りバッグをパチンコ屋に置き忘れる「ドジ大賞」(2026.05.29)







コメント
党内70歳定年制も、ついでに無効化するためですかぁ。
例えば「あと3年で65歳 のんびり蕎麦打ちと太公望の夢」打ち砕かれる人、どのくらいいらっしゃるんでしょう…。
投稿: 乙痴庵 | 2017年1月 6日 22:48
乙痴庵 さん:
>党内70歳定年制も、ついでに無効化するためですかぁ。
ウケた! (^o^)
投稿: tak | 2017年1月 6日 22:59
いやいや、Tak さんみたいな元気な人ばっかりになったから、さすがに「老人」とは言えないよなーという話になったのでは?
さすがに Tak さんをモデルにすると、普通の人にはハードルが高すぎると思いますが、かなりの人が80歳、90歳に達するきょうび、多少の見直しは仕方がないのではないでしょうか。
18歳も、大人扱いで良いと思うんですけどねー。
投稿: きっしー | 2017年1月 6日 23:20
たしかにそうやって読むと胡散臭いニュースですよね。
「日本老年学会」は「日本老年医学会」ほか7学会からなる集合体らしいので、実体(会員)は無いのかもしれませんね。歴史的には、老年医学会は暖簾分けのような形でできたみたいですが、普通は、こうなると、もう母体の方は自然消滅しそうなもの。こういう特別な権威づけ(だけ)が必要な場合のために残してあるのかなぁ。
たぶん、この提言によって、段々と高齢者福祉予算を削って、なんて話になるんでしょうけど、政府は、あまり大声で言いたくないような政治判断を、学者の口から言わせることが時々ありますよね。原発の再稼働を規制委員会に判断させたり。
そういえば「準」ではなく「准」の字を使うのも、だいたい胡散臭い話の場合が多いような気が。
投稿: 禅堂 | 2017年1月 7日 19:00
きっしー さん:
えぇと、私は年金支給開始年齢の引き上げそのものについて反対しているわけではないんですよ。
多少の見直しをしないと、制度そのものが破綻するのは目に見えてますしね。
ただ、禅堂さんのコメントで、「政府は、あまり大声で言いたくないような政治判断を、学者の口から言わせることが時々ありますよね」 という点が、「なんだかなあ」 と思っているわけです。
「初めに結論ありき」 の状態で諮問委員会やらワーキング・グループやあらをでっち上げて、そしてあたかも第三者の公正な判断のように見せかけて政策に採り入れるという手法が、ちょっと目に余るのではないかと。
投稿: tak | 2017年1月 7日 21:39
禅堂 さん:
>「日本老年学会」は「日本老年医学会」ほか7学会からなる集合体らしいので、実体(会員)は無いのかもしれませんね。歴史的には、老年医学会は暖簾分けのような形でできたみたいですが、普通は、こうなると、もう母体の方は自然消滅しそうなもの。こういう特別な権威づけ(だけ)が必要な場合のために残してあるのかなぁ。
なるほど、そういうことなんですか。
うまく利用するために残してあるってことなんでしょうかね。
投稿: tak | 2017年1月 7日 21:40
でおくれましたが・・・
老年医学会はほぼ医師のみの学会で、ほとんど医学分野における研究が主体で実はわたしも会員です。
老年学会は医学的なこと以外も含む総合的な老年学会です。
ですから社会制度・福祉制度・介護その他すべての老年者に関することが研究対象になります。
今回のトピックスに関しては、老年学会の中の「社会福祉制度」を専門にする分野の人たちが主体となって提言を作ったと思います。
老年医学会はモロモロの事情で、医学的な観点からも矛盾しないと支持することで、その権威付けに協力したという構図と理解しています。
投稿: ちくりん | 2017年1月 9日 10:40
ちくりん さん:
なるほど、そういうことでしたか。
「老年学会」がリードして、「老年医学会」 が補完したということですね。
投稿: tak | 2017年1月13日 22:28