月イチの午後 3時退社より、毎日定時退社の方が
一昨日の記事で、月末の金曜日は午後 3時で退社しようという 「プレミアムフライデー」 というものについて書いたが、これって、果たして根付くんだろうか。私は正直言ってとても悲観的だ。
政府主導のキャンペーンでは「クールビズ」というのが最も成功した部類だと思う。これなんか、暑い夏に好んでスーツとネクタイ姿でいたいのはファッション人間過ぎるやつかよほどの変わり者で、たいていは涼しい格好をしたいのだから、ちょうどいい免罪符を与えたようなカタチになって広まった。
ちなみにこのクールビズ・キャンペーンの旗振りをしたのは、当時の環境相だった小池百合子さんだった。この人、やることにそつがないよね。そつがなさ過ぎて可愛くないところもあるけど。
話は戻って、「給料日直後の金曜日ぐらい(とはならない月も、確率として年に 1〜2度あるが)、早めに退社したいよね」という思いは、多くの人がもっているだろう。しかし「暑い夏はスーツとネクタイから解放されたいよね」という思いと比べると、どうもグッとくるものがないし、「3時にあがって、どうするの?」なんてことになる人も多いだろう。
それよりも私なんか、「月イチの午後 3時退社なんかより、毎日定時退社したいよね」という方が、ずっとマシな発想だと思う。毎日夜の 9時とか 10時とかまで会社にいるような種族は、午後 3時に退社しても、なんとなく早めに帰宅して風呂入って寝ちゃうんじゃなかろうか。なにしろ、お疲れだろうし。
そこへ行くと私なんか、会社勤めしていた頃も、まず大体定時退社していたなあ。退社時刻になったら、「お先に!」ってなもんである。誰にも遠慮なんかしなかった。だって、やるべき仕事は効率よくさっさと済ませていたし。
時々、締め切り間際の仕事がたまったら、そりゃ 9時とか 10時とかまでやったりもしていたが、そんなのは 1ヶ月に 1度ぐらいのものだから、かえって新鮮だったりした。まあ、私の場合はどちらかというと、「企業内独立事業主」みたいな、自由な仕事が多かったから、何の抵抗もなくそれができたということもあるだろうけど。
むしろ「月末の金曜日は、絶対に残業しないで定時退社する日」とする方が、とりあえずは広まると思う。名前は「スペシャリー・オーディナリーフライデー」(特別普通の金曜日)とでもしようか。いずれにしても、定時退社がフツーにできないような仕事はまともなもんじゃないと思うがなあ。
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コメント
もしかしてこの提案、経済産業省の人たちが自分たちが早帰りしたいからぶちあげたものだったりして。民間企業は納期や先方の都合がありますから「最終金曜日は3時で終わりで~す」なんてわけにはなかなかできませんもんね。
投稿: 萩原ミズネッティーニ | 2017年2月19日 21:46
まず、「月イチの午後 3時退社なんかより、毎日定時退社したいよね」に文句なく賛成なのですが、仮に月に一回金曜日の午後に個人的に早引けするとしたら、一般会社員は月末は避けるのが常識と思います。人によっては月初を避ける場合もあるでしょうけど。
給料もらったら(振り込まれたら)ルンルンと遊びに行けると考える時点で、毎月の資金繰りに気を配っている民間の感覚から隔絶していると思います。
投稿: ちくりん | 2017年2月20日 10:44
萩原ミズネッティーニ さん:
>もしかしてこの提案、経済産業省の人たちが自分たちが早帰りしたいからぶちあげたものだったりして。
いやいや、あくまで民間の人たちのために必死に考えた結果ですよ (という返事が返ってくるに決まっているところが、またなんだかなあと思わせる所以で……)
投稿: tak | 2017年2月20日 20:23
ちくりん さん:
>給料もらったら(振り込まれたら)ルンルンと遊びに行けると考える時点で、毎月の資金繰りに気を配っている民間の感覚から隔絶していると思います。
言えますね。
このキャンペーンに乗れるのは、下請けの仕事をしておらず、経営状態が良好ながら、決して良すぎるということもない大企業だけでしょうね。
決算が良すぎる会社がこれをやると、反感を買いかねませんので (^o^)
投稿: tak | 2017年2月20日 20:26