「デューダ」って、スウェーデン語で「虐殺する」って意味らしい
"doda" という名の転職情報誌があり、これをなぜか「デューダ」と読みならわしていて、昔は転職することをよく「デューダする」なんて言っていた。私は 「なんで "DODA" が『デューダ』なんだよ」 とずっと思っていたが、今日、ふと思い立って Wikipedia に当たってみたら、「当初は DÖDA とドイツ語表記であり、このため読みがデューダとなり、後に Ö は O に変更されたが、読みはデューダのままとなった」とある。(参照)
「へえ、そうか、ドイツ語読みだったのか」と思い、ここまでは納得した。元々は「アルバイトニュース」という求人誌を出していた会社だけあって、ドイツ語にこだわってみたのかもしれない。(「アルバイト」って、元はドイツ語だからね。念のため)
ただ、それだけで済ませられないのが、知りたがり病の昂じている私の悪いクセである。「で、döda って、どういう意味のドイツ語なの?」という疑問が当然のように湧いてくる。さらに、どうして途中で Ö を O に変えたのかもたまらなく気になる。しかしなぜか、Wikipedia にはそのあたりの説明がまったくないのである。
【2020年6月5日 追記】
現在では、Wikipedia にもこの間の事情がしっかりと載っているのを確認した。私のこのブログ記事が出て以後の変更なのだろう。
で、オンラインのドイツ語辞書で "döda" を調べてみたが、該当する単語が出てこない。どうもドイツ語にはそんな単語はないみたいなのである。「なんだ、『なんちゃってドイツ語』かよ!」 と、拍子抜けした。要するに「雰囲気のもの」というだけのことなのね。
とはいえ、ドイツ語以外で "döda" という単語があるのかもしれないと、念のため多言語で調べてみると、スウェーデン語に該当単語がみつかった。それが上の画像である。英語にすると、"slay, murder, kill, slaughter, assassinate" という意味の単語であるという。(参照)
「なぬ!」である。スウェーデン語の "döda" という単語って、「殺害する、殺す、虐殺する、暗殺する」という意味だったのかよ! よりによって、転職情報誌の名前がそれか! もしかして、「転職者は殺してやる!」って裏の意味を込めたりしてたのか?
念のため、日本語訳のウェブページの画像も載せておく。確かにこんなことなのである。(参照)
まあ、精一杯好意的に考えれば、当初この "DÖDA" という雑誌名を考えた時は、スウェーデン語では物騒な意味になるなんてことは、ちっとも知らなかったんだろうね。あの当時(1989年創刊だから、バブルの最盛期だ)特有の軽いノリで、まさに「雰囲気のもの」として洒落みたいに命名しちゃったんだろう。
ところが後になって、「ちょっと、ちょっと、ヤバいっすよ、"DÖDA" って、スウェーデン語で『殺す』とか『虐殺する』とかいう意味になっちゃうらしいっす!」ということが判明したので、しょうがないからとりあえず、Ö を O にしれっと変更することで、「これ、スウェーデン語じゃないっすから、よろしく」とトボけることにしたんだろう。うん、そうとしか考えられないじゃないか。
初めからきちんと調べておけば、こんなややこしいことにはならなかったのにね。
【補足】
スウェーデン語の "döda" の発音は、こちら で聴ける。「発音したユーザ ret001 (スウェーデンの男性)」 という表示の左側にある 「▷印」 をポチッとすると聴けるが、「ディユタ」 に聞こえないこともないビミョーな発音である。
それにしても、スウェーデン語の単語をネイティブが発音したのをいながらにして聴けるとは、世の中、便利になったものだ。
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