コンパクト・デジカメ市場の縮小
"ニコン、1型コンパクト 「DL」 シリーズの発売中止を決定" というのがちょっとした注目ニュースになっている。DL シリーズというのは、コンパクトデジカメの中ではちょっとだけ高級なラインで、これなら採算が取れるだろうと思われていたみたいなのだが、やっぱりダメだったようだ。実は私の手持ちのコンデジもニコンなので、ちょっとびっくりしている。
私のは ”COOLPIX S9700” というモデル(上の写真)で、2014年 2月 27日の販売開始となっている(参照)から、既にほぼ 3年経ってしまっている。DL シリーズよりはずっと安いレンジのものだが、それでも光学 30倍という結構な望遠機能があるし、ど素人としては今でもちっとも不満がない。
この年の 10月 7日の Today's Crack に、このカメラを使って秋の名月を撮った写真を掲載しているのだが、月の表面の陰影まで結構きれいに撮れている。その 10年前の、単なる白く光る丸い環みたいな月の写真と比べれば、性能の向上は一目瞭然だ。(参照)
ところが、こんなに優秀でコンパクトなカメラを、近頃ではほとんど持ち歩くことがないのである。私は毎日更新の「和歌ログ」に、その日に撮った写真を必ず載せることにしているので、カメラは必需品なのだが、最近は iPhone のカメラで十分なのだ。これじゃあ、コンデジは売れない。
最近の iPhone のカメラ機能はかなり優秀で、3年前ぐらいの和歌ログの写真(コンデジで撮影したもの)と比較しても、全く遜色がない。5年前ぐらいのと比べれば、最近の iPhone の写真の方がずっときれいに撮れている。
写真そのものにこだわりがあるわけじゃなく、せいぜいブログの写真がフツーに撮れればいいという、私程度のニーズなら、本当にスマホで十分な世の中になった。ちょっと気合いを入れた写真を撮るという場合でも、上述のお月様の写真のように、安物のコンデジで十分に足りてしまうし、これ以上のスペックは素人には当面必要ない。
こうなると、デジカメの商売で儲けようと思ったら、まともな一眼レフかミラーレス一眼の製品で地道にやっていくしかないのだろう。一番安い価格帯のコンデジは既にスマホとの競争に敗れているし、本日話題にしたニコンの DL シリーズみたいなのは、一番中途半端で儲からないレンジになってしまっている。
デジタル製品の市場というのは、わずか数年で様変わりしてしまう。気ぜわしいことである。
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コメント
スマホの写真の進歩は本当に驚かされます。
ところでそのスマホのカメラ機構はどこが供給しているのでしょう?
その昔デジカメで簡易動画が取れるタイプはサンヨーが一手に供給している時代がありました。
ソニーやキャノンという大手なのか、それとも実は〇×がというメーカーがあるのか?興味深いです。
投稿: ちくりん | 2017年2月16日 12:41
ちくりん さん;
>ところでそのスマホのカメラ機構はどこが供給しているのでしょう?
さて、どうなんでしょう?
時間がなくて調べていませんが、いずれにしても、コンデジの需要減を補って余り在るほどの需要があるのでしょうかね。
投稿: tak | 2017年2月17日 08:28