情報の断絶と発覚
本日昼過ぎに開いた Google ニュースである。"<タリウム事件> 薬品執着 「皆知っていた」" というのがトップで、その 3つ下に ”ベトナム人、大麻栽培容疑 男女再逮捕、末端価格1億円以上 群馬” という記事がある。
「タリウム事件」というのは、もう忘れている人も多いだろうが、2012年に起きた元名古屋大女子学生が、同級生 2人に硫酸タリウムを飲ませ、さらに 14年に知人の高齢女性を殺害したという事件である。この容疑者は高校の頃から毒物と殺人に対して異常な興味を抱いており、今回の裁判でそのことについて元同級生が証言したというニュースである。
要するに、この「元女子大生」がかなりアブナイ存在だったというのは、周囲の人間は教師も含めみんな知っていたというのである。こんなアブナイ人間でも、郷里の仙台を離れて名古屋で一人暮らしを始め、衝動を抑えることもなくあっさりと殺人事件を起こしてしまったのである。周囲の人間は皆知っていても、そのサークルから一歩出てしまうと、誰も知らないという「情報の断絶」がある。
一方で、その 3つ下のニュースは、ベトナム人男女が自宅のアパートの一室で、大麻を栽培していたのが発覚し、逮捕されてしまったというニュースである。大麻栽培が違法行為ということは当然知っていただろうから、よほど警戒してこっそりと育てていたのだろうが、天網恢々疎にして漏らさずというわけで、ちゃんと捕まってしまったわけである。
これには、「なんだかなあ」と思わざるを得ない。周囲の者はみんな知っていたという情報が、殺人犯罪抑止にはちっとも役に立たず、一方では極力バレないようにこっそりとやっていたことが、なぜかしっかりバレて捕まってしまう。
世の中というのは、なかなかうまく運ばないことも多いようなのである。
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コメント
高齢女性はタリウムではなく、斧の柄で殴られ、マフラーで首を絞められたのです。
私の知り合いが、殺された方と同じマンションに住んでいて顔見知りだったそうなので、当時、事件には大変びっくりしました。
こちらの新聞には「元名大生の闇」と題して、裁判で明らかになって来た彼女の異常な性癖の数々が毎日載っています。恐ろしいことです。
投稿: さくら | 2017年2月18日 16:05
さくら さん:
失礼しました。2つの事件をごっちゃにして記憶していました。ご指摘、ありがとうございます。
記事を修正しましたので、よろしくお願いいたします。
投稿: tak | 2017年2月18日 17:18
ま、あれですな旦那、「近くにいる危ない人」というのは定点観測的に見てますから、「危なさ」の情報が蓄積し、「これは多分マジでヤバいでしょう」と確信につながるんでしょうな。で通報したと。
対して、ヤバ娘が田舎を離れ独り暮らしを始めた時点で地元の人は「あの危ない娘いなくなった。よしよし」と安堵し、かくして彼女は誰も自分のことを知らない都会で好奇心を実行に移したと。
都会では、隣の人がどんな人か想像の範疇を超えてますからな。旦那も気をつけてくださいね。くわばらくわばら(床屋の世間話かいな)
投稿: 萩原下衆兵衛 | 2017年2月18日 22:31
萩原下衆兵衛 さん;
わたしゃ、つくばの田舎暮らしですんで (^o^)
それにしても
>「あの危ない娘いなくなった。よしよし」と安堵し、
というのは、なかなか鋭い指摘ですね。
厄介者は、あさっての方にぶん投げておけばいいという思想。
疫病神は、山車に乗せて村はずれまで連れてって、おっぽり出して帰ってくるというフォークロアと変わらず、今に生きている思想ですな。
投稿: tak | 2017年2月19日 00:07