日本の退屈な授業じゃ、そりゃあ居眠りもするさ
国立青少年教育振興機構の発表によると、日本の高校生の授業は米国、中国、韓国に比べて受け身的で、生徒はきちんとノートを取るが居眠りもよくしていて、グループワークには消極的なのだそうだ(参照)。世間では 「日本の生徒はよく居眠りをする」 と話題になっているが、授業が退屈なのだもの。そりゃあ居眠りもするさ。退屈なら眠くなるのは、国会だって同じだ。
授業については、91.2%の高校生が 「教科書に従ってその内容を覚える」 ことが中心と感じていて、「個人で調べ、まとめ、発表する」は16.6%、「グループで課題を決め、考え、調べる」は 11.9%で、どちらも 4カ国中最低だった。ようするに、日本の高校の授業はつまらないということだ。
そんな中で日本の高校生は、「授業中、きちんとノートを取る」というのが 79.4%と、驚異的な数字で 4カ国中トップだが、その一方で「授業中、居眠りをする」というのも 15.4%と、断然トップとなっている。私の印象では、居眠りをするのが 15.4%というのは少なすぎる気がするが、最近の高校生は眠気を我慢しているのだろうか。
私の高校時代は、勉強は家に帰ってから自分でやるもので、授業は睡眠補給のための時間と思っていた。自分のペースで自分で考えながらやる方がずっと勉強になるし、実質的にはかどる。こんなことだから自覚的に学ぼうとする日本の高校生は、どうしても「夜型」になる。
国立青少年教育振興機構なんていう組織が、こんなような調査結果を発表したというのは、国としてもこれまでの旧態依然とした教育ではまずいと思っているからなのだろう。しかし日本の高校の授業が退屈なのは、昔からずっと繰り返されてきたメソッドが抜き差しならぬほど定着しているからで、急に変えようといっても到底無理だと思う。
何しろ日本の学校の先生というのは、この国の教育システムの中で、可もなく不可もない程度の成績で大学を出て、そして可もなく不可もない教育システムの中に回帰してメシを食おうと思った人が多数派なのだ。斬新なことをしたいと思う人材の多くは、学校の先生なんかにはなるまい。
だから多くの先生たちは、今さら斬新なことをしろと言われても、戸惑ってしまうだろう。その上、部活の顧問なんかしてやたら過重労働になっている。教育の成果は、大学受験かスポーツでいい結果を残すことでしかアピールできないのだから、あまり多くは望めない。
となれば、生徒としてもまともな勉強をしようと思ったら学校のシステムなんかに頼らず、自分で好きなことをするしかない。で、学校に行っている時間というのは「無駄な時間」ということになるから、せいぜい睡眠補給のために有効に使うのである。
というわけで、私は授業中の居眠りを全然否定しないのである。
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コメント
なるほど、たいして興味がないことを「教科書に従ってその内容を覚える」授業では眠くもなりますな。「ノートをとる」のも忘れないように書いておくためなので、ノートをとりながらもうつらうつらしてたりして。
私の高校時代、現国と政経の先生の授業は「いかに興味をもたせ、好奇心を引き出し、考えさせるか」という意欲を感じさせるものだったので面白かった記憶があります。ああいう「熱血教師」的な先生は今はいるんですかね。
投稿: 萩原水音 | 2017年3月16日 09:47
萩原水音 さん:
そうしたいい先生に当たるのは運次第というのが、悲しい現実ですね。
投稿: tak | 2017年3月16日 10:10