西武新宿線の駅名、どうして 「下井草〜井荻〜上井草」 なのか
大学時代の昭和 47〜48年頃に、西武新宿線の下井草駅近くに住んだことがあった。風呂なし、トイレ共同の汚いアパートで、駅に近いことだけが取り柄の住処だった。その下井草駅は、ふと思い立って Google マップで検索してみたら、今は橋上駅になっている。
橋上駅になったので、西武新宿線も高架になり、踏切がなくなったのかと思ったら、どうやらそうではなく、駅舎が線路の上にできたというだけで、昨年夏に立体交差化の計画は発表されたものの、まだ実現されていない(参照)。西武鉄道というのは、池袋線は一昨年になってようやく全面高架化が完成したらしいが、新宿線はまだ遅れている。この方面にはとにかく金をかけたがらない会社だ。
ところで西武新宿線の鷺宮駅の西隣には、私の住んでいた「下井草」があり、隣が「井荻」、その次が「上井草」という駅である。これ、どうして「下井草〜井草〜上井草」じゃなくて、間の駅が「井荻」 というややこしいことになっているのかというのが、昔から疑問だったが、そこに住んでいるとあまりに身近すぎて、ついぞ調べることもなく放りっぱなしになっていた。
で、今頃になってふと思い出してたまらなく気にかかってしまい、何はともあれググってみたらすぐに理由がわかった。下井草に住んでいた 40数年前は、こんなことを調べるにもいちいち図書館に足を運ばなければならなかったことを考えると、ずいぶん便利な世の中になったものである。
最もわかりやすかったのが、Wikipedia の 「上井草」 の項である。こんなことのようだ。
江戸時代の多摩郡上井草村の流れを汲む地名である。江戸時代初期に井草村が分割され、上井草村と下井草村が成立した。(中略)
1889年の町村制施行により、上井草村・下井草村・上荻窪村・下荻窪村が合併し、東多摩郡井荻村となった。1896年に東多摩郡は豊多摩郡になり、井荻村は1926年に井荻町となる。
「井荻村」 という地名になったのは、察しのいい方は既にピンときていると思うが、「井荻町」 の項 に、次のようにある。
東多摩郡上井草村、下井草村、上荻窪村、下荻窪村が合併する際、井草の 「井」 と荻窪の 「荻」 とを組み合わせて命名。
というわけで、「井荻」 というのは両方から一文字ずつ取って組み合わせるという、ありがちな手法で便宜的についた地名ということである。で、現在の西武新宿線の下井草と上井草の間の駅名として残っているというわけだ。なんだかややこしい話なのだが、とりあえず 40年ぶりで疑問が解消された。
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コメント
私も学生時代、毎日井荻駅を通過しながら、なぜ井草や中井草ではないのかと疑問をもったままついぞ調べれられなかった者です。
十余年ぶりに疑問が解消され、なんだかとてもすっきりいたしました。
投稿: とも | 2018年11月 2日 20:20
とも さん:
お役に立てて幸いです。同じ疑問を抱いている人って、いるものなのですね。
投稿: tak | 2018年11月 2日 21:56