イノシシの北限が岩手県に入ったらしい
昨日、仙台在住の友人と会ったら、近年は仙台市内でもイノシシが出没し初め、農作物の被害が出始めたと言っていた。さらに宮城県北部を越えて、岩手県にも確実に進出しているという。
私は長らく「イノシシの北限は宮城県南部」と信じていたが、昨年の今頃「温暖化の最近は岩手県まで進出したという説もある」と半信半疑で書いている(参照)。しかし今回、「説がある」どころではなく現実に被害が出始めて困っていると聞き、びっくりである。
宮城県の地方紙「河北新報」の記事によると、イノシシの北上は、地球温暖化という自然要因のほか、高齢化による狩猟者の減少、耕作放棄地の増加という人為的要因も絡んでいるという。さらに東日本大震災による原発事故の影響も大きいという。
捕獲されたイノシシ肉の放射性セシウム濃度が国の基準値(1kg当たり 100ベクレル)を超える例が続き、出荷制限がかかっているので、狩猟がさらに下火になっているというのである。イノシシの北限に狩猟や耕作放棄地といった人為的要因が影響しているとは知らなかった。
上述の昨年の記事では、私は山形県生まれのため「子供の頃はイノシシなんてまったく縁遠い存在で、想像上の動物ぐらいに思っていた」と書いている。とにかく私は、茨城県に住み着いて長い今でも、ナマ・イノシシは見たことがない。動物園でも見たことがないので、個人的には、十二支の中の辰とイノシシは今でも神秘的な存在だ。
仙台の友人は 「岩手県まで進出してるんだから、おそらく山形県にも行ってるんじゃないの」 と言っていたが、さてどうだろう。冬は大雪で覆われる奥羽山脈を、足の短いイノシシが越えるだろうか。
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コメント
takさん、猪に北限は無いようですよ。
江戸時代の頃には、広く東北一円に猪が生息していて、農業に甚大な被害が及んでいたそうです。
そこで東北各藩は、多数の猟師を雇い、農民たちとともに猪の淘汰に全力をあげていたそうです。
その甲斐あって、東北には猪が見られなくなったという史実があります。
それでも、福島県の浜通り及び中通りには、その後もずっと猪が生息しており、猪狩という姓を名乗る方が沢山いることからも、猪はお馴染みの獣でありました。
会津にも、猪苗代という地名がありますし、最近になって北限が云々の話しは、違うのではないかと思われます。
投稿: Mikio | 2017年4月30日 13:12
Mikio さん:
へえ、そういうことだったんですか。
じゃあ、まさに、近年イノシシの北限が南下していたということは、狩猟という人為的な要素のためで、狩猟が下火になると、元の状態に戻りつつあるというわけですね。
人為的な要素が、かくまで自然の状態を変えてしまうのですね。
そして今、まさに地球的規模で自然の状態が損なわれているというわけですね。
投稿: tak | 2017年4月30日 22:33