大企業の PC が案外 Windows XP のままで動いてるらしい
世界中で猛威を振るっているという例のランサムウェア、"Wannacry" は、北朝鮮の国家的仕業という噂まで出ていて、まあ、大変な騒ぎである。とはいえ申し訳ないが、Mac ユーザーである私にはどこか他人事で、マライア・キャリーの "I Don't Wanna Cry" なんて思い出してしまった。呑気でごめんね。
この Wannacry というのは、Windows をきちんと最新版にアップデートしてさえいれば感染せずに済むものであるらしい。ところが世界中でこれほどの PC がおかしくなっているのは、いかに最新版にアップデートせずに、昔のバージョンのままで使われ続けている Windows が多いかということを物語っている。
日本でも日立製作所、JR 東日本、イオンなど、名だたる企業が感染しちゃってるという。これは「だって、社内システムが Windows XP で構築されちゃってて、Windows Vista 以降の OS では動かないから、しょうがないんだよね」なんていう事例が案外多いからだと思う。OS をバージョンアップすると、社内システムも作り直さなければならないので、大変な手間と費用がかかるのだ。
そんなわけで、古い Windows のままのサーバか何かを、インターネットには直接つながずに動かしている企業が案外多い。しかし直接つないでいなくても、何しろ社内のいろんなシステムを動かしているのだから、LAN を通じてつながってしまっている。Wannacry というやつは、感染してしまった PC が、周囲のつながったマシンに自動的に攻撃を仕掛けてしまうので、感染してしまったというケースが多いらしい。
というわけで、OS のバージョンアップって、企業にとっては案外「余計なお世話」ということが多いのだよね。Microsoft が勝手にバージョンアップして、旧バージョンの OS はお世話してくれなくなるのだから、たまったものではない。そんなわけで、結構な大企業の内部で大昔の Windows XP が動いちゃってるといのは、人には言うに言えない恥ずかしい事情のようなのである。
Microsoft としてもその辺の事情はよくよく承知していて、だからこそ今回の騒ぎでは特例として、Windwos XP 用のパッチも出してくれている。「放ってもおけませんわいな」ということなのだろう。だったらずっと放り出さないで、ちゃんと世話し続けてくれと言いたくもなるだろう。
【5月 22日 追記】
英政府通信本部元本部長のデビッド・オマンド氏がサポート期間終了後のシステムであってもMicrosoftのようなベンダーはセキュリティに責任を持つべきだと主張する一方、米国では上院議員 2名が政府機関の発見した脆弱性の開示などに関する法案を提出している。(参照)
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