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2017年5月20日

道路交通では、たとえアイコンタクトがあったとしても......

我ながらまったくしつこいと思うが、自転車の逆走についての付け足しである。細い道で、自転車が逆走している方が、「クルマの運転者と対面していてお互いの存在を確認でき、目が合うので、すれ違う時に安心感がある」との言い分があるが、実際の場面ではアイコンタクトがあったとしても、安心は禁物というお話だ。

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2年ちょっと前に、「わずか 20分の間に 2度唖然とした交通事情」という記事を書いた。その中から少々引用してみよう。横断歩道を渡っている私の目の前に、左側から強引に突っ込んできて、歩道の縁石にぶち当たる自爆事故を起こしてしまったオバサンの話である。

向こうから走ってくるクルマの運転席のオバサンとは、確実に目が合ってさえいて、お互いの存在をしっかり確認できていた。そして相手は、横断歩道の前で十分すぎるほどの余裕を持って停止できるだけのノロノロ運転だったのである。

ところが彼女は、私が横断歩道を渡っている目の前に割り込むように無理矢理かつ強引に突っ込んできて、自爆してしまったのである。ガリガリっと大きな音をさせて、歩道の縁石にバンパーの左前をこすってしまったようだが、こちらはそんなことに関わっているほど暇ではないので、さっさとその場を後にした。

というわけで、アイコンタクトは安全を保証するものじゃない。目が合ったというだけで安心しちゃいけないのだ。世の中にはこんなオバサンも存在するのである。

確かにアイコンタクトがあると、お互いに安心したような気分になることはある。この時も私としては、「目が合って、お互いの存在をしっかり確認したんだから、よもや横断歩道に突っ込んでくるなんてことはあるまい」と、常識的な判断をした。

とはいえこれがいくら「常識的な判断」でも、いつもの私なら、「オバサンは絶対に横断歩道の前で停まらない種族だから、ここはやりすごしておこう」と、自衛のために思う。ところがこの時の相手は、本当にじれったいほどのチョー・ノロノロ運転だったのだ。それで私も、「これならいくらオバサンでも、停止しないまでも、私が渡り終えるまでには横断歩道にたどり着かないだろう」 と判断したのである。

ところがあろうことか、彼女はこの場面で強引に突っ込んできたのだ。今になってあの場面のタイミングを考えてみると、もしかしたらあのオバサン、少々加速さえしていたかもしれない。だって「あんなにトロトロ走ってたクルマが、どうして今、俺の目の前で自爆してるの?」って感じだったからね。

オバサンとしては多分、「目が合って、私のクルマが近付いているのを確認したんだから、あの人は横断するはずがない」と、ものすごく身勝手な判断をしたのだろう。ところが彼女の意に相違して、私は横断歩道を渡り始めた。

ここで彼女は、咄嗟にムカついた。「まあ! この私と目が合って、クルマが近付いてるとわかってるのに、渡り始めるって、どういうことなの? なんて無神経で、失礼で、無遠慮で、アブない人なの!」

ここまでの彼女の思考は、このように明確に言語化されていたわけじゃないだろうが、後から説明しようとすれば、要するにこういうことだったろう。そして次の瞬間に、「あの無神経な人が渡りきる前に、私の方が急いで通り過ぎなきゃ!」と、無茶苦茶な発想をした。早く言えば、「あんた、どきなさいよ。私が先よ!」ってことだ。

ここまでひどい判断をしてしまうと、少々加速してまで私の前をすり抜けようとするまでのプロセスは、ほぼ自動的流れである。それまでのチョー・ノロノロ運転で、横断する私をやりすごしさえすれば何の問題もなかったのに、とんでもない了見違いをしてしまったわけだ。

とにかく、彼女の脳内には「自分の都合」しかなかった。確実に言えるのは、横断歩道の手前で停車するという交通法規は、意識にのぼることすらなかったということだ。その結果、驚いて飛び退いた私の目の前で歩道の縁石に「ガリガリッ!」と、ミジメな自爆である。結構な高級車だったけどなあ。私が瞬間的に飛び退かなかったら、人身事故になっていたかもしれない。

もし最悪のケースで人身事故になり、治療費を負担することになっても、彼女は決して納得しなかったろう。内心ではあくまでも、「だって、しかたないじゃないの。向こうが急に横断し始めたんだから!」と思い続けるに違いない。いや、人身事故に至らなかったことだって、「クルマの修理をしなきゃならなくなったのは、急に横断し始めたあの人が悪い」と、今でも思っているだろう。

とまあ、この体験で私は「道路では、いくら目が合ってお互いの存在が確認できていたとしても、甚だ自分勝手な判断をする人もいる」と学んだのである。というか、今回紹介した事例では、「目が合ったからこそ、向こうがより勝手で極端な判断をした」ともいえる。アイコンタクトって、実は両刃の剣だ。お互いに自分の都合で判断しがちだから。

すべての人がまっとうな遵法意識をもっているとはもとより期待しないが、そんなレベルをあっさり飛び越えて、とんでもない非常識な行為に及ぶ人もいる。とくにオバサンはアブない。これが単なる偏見であってもらいたいが、悲しいかな、私の経験知は「いや、決して偏見とは言い切れないから、オバサン・ドライバーには気をつけろ」と囁く。

そして私も命は惜しいから、その囁きに素直に従う。そしてあんな経験をしてからというものは、ことさらなまで素直に従っている。

(上で使用した写真は今回紹介した事例の現場ではない。念のため)

 

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コメント

連投スマソ、的な?
人間の本能として、視線が行ったほうに無意識に進むというのがありますから、目が合うのは逆に危険かもしれませんね。
まぁ男と女では脳みその構造が違いますから、道路上でも「今それをやるかい!」と思うことも度々ありますね。あ、運転席を見れば男か女かはわかりますから。おばちゃんの道路上での不可解な行動も「あたしはあたしの都合で動いてんだから、あんたがよけなさいよ」てな強い意志を感じることも度々ありますね(苦笑)。
理解できないのだから近寄らないほうが無難ということですかね。私は女系家族なのでこのあたりは経験豊富なつもりです。くわばらくわばら。

投稿: 萩原水音 | 2017年5月20日 21:58

横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるとき、クルマが停止しなければならないのは『マナー』でも『やさしさ』でもなく、『道路交通法でそう決まっているから』、ということを知らないドライバー、多いですよねえ。

投稿: らむね | 2017年5月20日 22:19

横断歩道で待っていて車が停止してくれる率は、オッサンは80%くらいでオバサンは20%くらいですね。

先日は、横断歩道の30m手前でオバサンが減速してくれたので停止してくれるんだなと判断し渡り始めたら、センターラインの手前まで達している私の前を何の躊躇もせず通過していきました。

普段からオバサンには気を付けているのですが、オバサンは増々信用できなくなりました。完全に停止してもオバサンの車の前を通過するのは怖いですね。何をするか分からない。
以来、オバサンが横断歩道を通過してからその後を横断するようにしてます。

混雑している駅のコンコースを一直線に歩いているのは若い女ですね。他の通行人がひょいひょいと避けてあげてる。だから決してぶつからない。こういうことを学習している女がオバサンになって車を運転すると...恐ろしいことになりますね。一体脳の中がどうなっているのやら。

投稿: ハマッコー | 2017年5月21日 00:55

萩原水音 さん:

>人間の本能として、視線が行ったほうに無意識に進むというのがありますから、目が合うのは逆に危険かもしれませんね。

それを如実に感じました。

>理解できないのだから近寄らないほうが無難ということですかね。

金輪際近寄らないように心がけます ^^;)

投稿: tak | 2017年5月21日 16:06

>らむね さん:

>横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるとき、クルマが停止しなければならないのは『マナー』でも『やさしさ』でもなく、『道路交通法でそう決まっているから』、ということを知らないドライバー、多いですよねえ。

免許取得の際の試験では、ちゃんと答えているはずなのに、「実際の運転とは関係のない 『試験の世界』 のお話」 とでも思ってるんでしょうかねぇ ^^;)

投稿: tak | 2017年5月21日 16:13

ハマッコー さん:

>横断歩道で待っていて車が停止してくれる率は、オッサンは80%くらいでオバサンは20%くらいですね。

オバサンの場合、20%いくかなあ ^^;)

>先日は、横断歩道の30m手前でオバサンが減速してくれたので停止してくれるんだなと判断し渡り始めたら、センターラインの手前まで達している私の前を何の躊躇もせず通過していきました。

それ、「あるある」 ですね。
横断の途中で急に急いじゃいけないってことになりますね ^^;)

>混雑している駅のコンコースを一直線に歩いているのは若い女ですね。

試しに、こちらも避けに歩いてみたことがあります。
(条件反射的に避けるのが身につきすぎてるので、それを封印して歩くのは、むしろ大変なことでした ^^;)

とにかく向こうは絶対に避けませんから、必ずお見合いになってしまいます。それでも向こうは、呆然としているだけです。「道を譲る」 という言葉は、あの人たちの辞書にはないようです。

投稿: tak | 2017年5月21日 16:23

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