グルコサミン、コンドロイチンは効くのか効かないのか
「週刊現代」のサイトの最新記事の一つ、"ダマされるな! 飲んでも効かない「サプリ」一覧 えっ あれも…?" というのがちょっと注目を集めている。市販されているサプリの多くが、「飲んでも効かない」「意味がない」と一刀両断にされている。
記事で最初に槍玉に挙げられているのが、「関節痛を和らげる」「擦り減った軟骨が再生する」という効果が謳われて、中高年に売れている「グルコサミン」と「コンドロイチン」だ。この両方が配合されたサプリも多いが、記事によると「飲んでもほとんど効果はない」(武蔵国分寺公園クリニック 名郷直樹院長) のだそうだ。
グルコサミン、コンドロイチンは確かに軟骨の成分だが、経口摂取すると糖とアミノ酸に分解され、再合成されて膝の軟骨になるとは考えづらいという。つまり「気休め」でしかないというのである。
「ふぅん、そうかもしれんなあ」とは思ったが、私は昔から週刊誌のセンセーショナルな記事というのはあまり信用しないことにしている。どうせ素人の記者が大した時間もかけずに取材してそれらしくまとめるだけなのだもの、そのまま信じろという方が無理がある。
そこで「セカンド・オピニオン」を得るために「グルコサミン コンドロイチン サプリ 効果」というキーワードでググってみると、「ヘルスケア大学」というサイトの「グルコサミンの効果」という、昨年末に書かれた記事が見つかった。そしてこの記事では、グルコサミンはそんなに悪者にはされていない。
「グルコサミンにおいては人体に対してサプリメントとしての効果があるとの研究結果もあります」とされ、ここでは詳細は省くが、関節の痛みや変形性関節症の症状が和らいだとの具体的報告がされているらしい。コンドロイチンに関してまでは調べていないが、グルコサミンだけでもこのように正反対とも言える情報がある。片方だけの情報で舞い上がってはいけない。
この「ヘルスケア大学」というサイトは、「5231名の医師が参画するヘルスケア情報サイト」と謳われ、「信頼できる医療・健康情報のための倫理標準である HONcode の条件を満たしています」(参照)と表示されている。断定するつもりはないが、フツーに考えれば素人記者の書いた週刊誌記事よりは信じてもいい気配が感じられるではないか。
週刊現代の記事では、グルコサミン、コンドロイチンに関する記述のすぐ後に、「先頃、バスト UP 効果とダイエット効果を同時に叶えることができると謳ったサプリメント『B-UP(ビーアップ)』に対して、消費者庁は『景品表示法違反』に当たるとして措置命令を下した」とある。まあ、サプリを服用してバストアップなんていうのは、ちょっと考えればでたらめとわかるが、グルコサミン、コンドロイチンまで同様の印象を持たせるような記事の書き方だ。
私はこの方面に関しては完全な素人なので、グルコサミン、コンドロイチンの効果についてまともなことを書ける知識を持ち合わせない。だから、週刊現代とヘルスケア大学のどちらが正しいかなんてことも、当然ながら言えない。
個人的には、膝の痛みもないし、グルコサミン、コンドロイチンのサプリなんか飲んでもいないので、効こうが効くまいがどっちでも知ったことじゃない。ただここで言いたいのは、センセーショナルな情報を一方的に信じることによるリスクは避けたいということだ。
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コメント
グルコサミン、コンドロイチンをテレビで毎日宣伝してます。階段を辛そうに登り降りしてた人が、グルコサミン、コンドロイチンを服用したらスイスイと歩けるようになったと訴えています。同時に「個人の感想です」と注意書きを入れるのも忘れない。
週刊誌は毎週のように「いまあなたの飲んでいる薬は危ない、医者のいうことは信用してはいけない」と書いてます。
要は両者とも金儲けでやってるだけですよね。両者とも信用できませんね。
ちなみに、以前の私の膝は錆びついたようになって動かすと痛みがあり階段の昇降に苦労しましたが、今はすっかり治りました。何もしていません。あえて言えば適度に膝を使うことでしょうか。グルコサミン、コンドロイチンは経験では要らないと思います(個人の感想です)
投稿: ハマッコー | 2017年5月 2日 21:00
ハマッコー さん:
なるほど、医者も製薬業界もサプリの業界も週刊誌も、それぞれがそれぞれのことを言うから儲かるという構造ですね。
いずれにしても、適度の運動が一番のクスリというのが言えてるかも。
投稿: tak | 2017年5月 2日 21:25
週刊現代にしてもヘルスケア大学にしても、論文の参照元を書いていない時点で信用できないですねー
一昔前ならいざ知らず、今はwebに大量の論文が公開されているのに。
根拠のある参照元を示さない時点で、結局は何らかの営利ってことだと思ってます。
投稿: 無名 | 2017年5月 3日 00:22
無名 さん:
>週刊現代にしてもヘルスケア大学にしても、論文の参照元を書いていない時点で信用できないですねー
煎じ詰めれば、これに尽きますね。
投稿: tak | 2017年5月 3日 16:51
じやぁ、直接注射しちゃったほうがいんじゃね(本当だったりして)。
でもそれだと一回限りだから、商売になりにくいんでしょうね。
お年寄りは疑うことを知らないからなぁ。
投稿: のうさぎまりこ | 2017年5月 3日 21:20
のうさぎまりこ さん:
「自分は体にいいもの飲んでるから」 という自己満足というか、プラッシーボ効果というか、そっちの方が意味があったりして (^o^)
投稿: tak | 2017年5月 4日 04:31
「経口摂取すると糖とアミノ酸に分解され、再合成されて膝の軟骨になるとは考えづらい」というのは、福岡伸一氏の『もう牛を食べても安心か』あるいは『生物と無生物のあいだ』のどちらか(たぶん後者)で言及されていた考え方だったように記憶しています(確かコラーゲンについての話でしたが)。
経口摂取したものが糖とアミノ酸に分解される(これは高校までで学んだ知識に整合します)、それが血流に乗って的確に磨り減った関節にまでたどり着き、そこで再合成されて軟骨が再生される……そんなうまい話があるのか。
……とも思いますが、最近ちょっと遺伝方面(エピジェネティクスとか)を覗き見していると、「そんなうまい話」があっても不思議はないなぁ、とも思えてきます(笑)
どっちなんだろうな~。
まぁ週刊現代の記事の「メーカーの甘い宣伝文句に踊らされ、生活習慣を見直す努力を後回しにしてはいけない。」という結論は適切だとは思いますけどね。
投稿: 山辺響 | 2017年5月 8日 10:18
山辺響 さん:
>最近ちょっと遺伝方面(エピジェネティクスとか)を覗き見していると、「そんなうまい話」があっても不思議はないなぁ、とも思えてきます
な〜るほど。(よくはわからんけど ^^;)
>「メーカーの甘い宣伝文句に踊らされ、生活習慣を見直す努力を後回しにしてはいけない。」という結論は適切だとは思いますけどね。
基本の基本ですね。
投稿: tak | 2017年5月 8日 18:23