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2017年5月27日

川上音二郎の 『オッペケペ節』 オリジナル

どうやら川上音二郎の『オッペケペ節』の録音レコードというのがあるようで、その再生音が YouTube にアップされている。1900年のパリ万博における川上音二郎一座のパフォーマンスを録音したもののようだ。

それは三味線を使ったラップみたいなもので、なかなか軽快な味わいである。これが進化して壮士芝居となり、さらに新派の舞台となったのかと思うと、感慨深いものがある。

そして川上音二郎よりは年が若いはずの添田唖蝉坊の方は、YouTube を探しても本人の録音は見つからない。その代わり、土取利行によるパフォーマンスをいくつか聴くことができる(参照)。土取利行は『オッペケペ節』も歌っているが、オリジナルに比べると、好むと好まざるとに関わらず、少々洗練されている。

添田唖蝉坊の歌は、人によっては、高田渡のフォークギターでの弾き語りの方がお馴染みだろう。高田渡の場合は、『ノンキ節』は原曲に近いが、『ああわからない』はアメリカン・カントリーのメロディに乗せて歌っている。自由自在である。

こうしてみると、反権力の歌は明治の昔からあり、さらにそのずっと昔からの系譜があるようだ。日本ではそれが途絶えてしまうのではないかと悲しくなるほどの状態だが、外国ではちゃんと今につながっている。レゲエやラップはその最前線だ。

日本では 1980年代から「政治の季節」がすっかり色褪せてしまい、ノンポリばかりになってしまった。それは、その前を行く「団塊の世代」が、政治の季節をはき違えて跳ね返ってしまった反動だと思っている。このノンポリ世代が今、50歳を過ぎて世の中の中枢を占めようとしている。団塊の世代からノンポリ世代につながってしまっているから、日本ははつまらない世の中になってしまったのだろう。

その狭間である 1952年頃の生まれの我々は、団塊の世代の尻ぬぐいばかりに追われてしまい、その後に残すものを生み出せずに来てしまった。これは痛恨である。

もう 10年経てば、また少しはおもしろい世の中になるかもしれない。

 

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