「パイノパイノパイ」 から始まる冒険
先月 12日の「笠置シヅ子の偉大さ」、27日の「川上音二郎の『オッペケペ節』オリジナル」という記事の流れで、行きがかり上、「東京節」から始まるいろいろを紹介しよう。「東京節」と言ってわからなくても「パイノパイノパイ」と言えば、「ああ、あれか!」と思い当たる人も多いと思う。まずは桜井敏雄となぎら健壱の最強コンビによるパフォーマンスを、下に埋め込んでおく。
これは添田唖蝉坊の息子の添田知道(さつき)の作詞によるもので、原曲は米国の『ジョージア・マーチ』(Marching Through Georgia)。実にちゃんとした行進曲なのだが、こなし方によっては 「パイノパイノパイ」 になってしまう。
この歌のリフレイン 「ラメちゃんタラギッチョンチョンデパイノパイノパイ」 の、「ラメチャン」というのが何なのか、子どもの頃から謎だったが、最近 Wikipedia で調べたらあっさり解決した。これは「出鱈目」の「らめ」に「ちゃん」が付いたものというのである(参照)。
私はまた、きんきらきんの「ラメ」かと思っていたよ。これ、「パイノパイノパイ」と「フライフライフライ」でちゃんと韻を踏んでいるのだから立派なものである。
この歌をドリフターズの歌で知っているという人は、まだ若い層で、私はあのバージョンは個人的には好きになれない。だからここにも埋め込まない。私がこの歌を最初に知ったのは、森山加代子のバージョンだった。森山良子じゃなく、森山加代子である。こんなのだ。
森山加代子はなかなかスゴい人で、昭和 30年代に、今ではキワモノ扱いされそうな「じんじろげ」なんていう歌まで世に出していた。これ、聞いていても意味がさっぱりわからないが、歌唱力は圧倒的なものである。なにしろ、一発録音の時代だったのだよ。
妻に「"パイノパイノパイ" って歌は、誰の歌で知ってる?」 と聞いたら、「エノケンで知ってる」と言っていた。大したものである。ただ、YouTube でエノケンの『パイノパイノパイ』を探したが見つからず、その代わり、『ダイナ』が見つかった。
エノケンが『ダイナ』を歌うとこうなる。『月光値千金』と『私の青空』との圧倒的メドレーを紹介しよう。
「ああ、いいなあ」と、私はため息をついてしまうのである。
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コメント
ナベ(ラメ)チャンタラギッチョンチョンノパイノパイノパイと昔は意味も分からず歌ってました。森山加代子さんの歌唱力もすばらしい。
一気に1950年代後半と60年代の様々な記憶が蘇ってきましたね。
投稿: ハマッコー | 2017年6月 3日 01:51
ハマッコー さん:
坂本九ちゃんと森山加代子の歌唱力は、かなりのものですね。
九ちゃんは、本当に惜しいことをしました。
投稿: tak | 2017年6月 4日 12:05
琉球民謡をやっている私としては、「東京節」は大工哲弘のジンタバージョンです(^^) でもYoutubeには見当たらなかったのでご紹介できない……。
投稿: 山辺響 | 2017年6月 5日 16:54
山辺響 さん:
ググってみてら、「ジンタ—ナショナル」 が聴けました。これ、いいですね。
投稿: tak | 2017年6月 5日 22:34