ヨシキリの鳴き声 2
裏の川原でオオヨシキリが 1日中賑やかに鳴いている。この鳥は夜になっても「キリキリキリ……」と鳴き続けるから、一体いつ寝ているのだろうと思うほどだ。下の写真は、日本野鳥の会発行の 「野鳥観察ハンディ図鑑 水辺の鳥」の P19 で、スズメよりちょっと大きい鳥だそうだ。
「〜だそうだ」などと曖昧な書き方をしてしまったのは、鳴き声はずっと聞き通しているものの、姿を見たことはほとんどないので、図鑑を頼りにするしかないからだ。大昔にバードウォッチング用に買った双眼鏡で、声のする方を追ってみたが、残念ながら見つけることができなかった。
オオヨシキリの声は、YouTubeで検索するといくつも出てくる。ついでに実際に鳴いている画像もみることができるので、オススメだ。なるほど、こんなこんな風に止まって鳴いていたのか。
念のため検索してみたら、このブログで 6年前の 5月にも「ヨシキリの鳴き声」というタイトルの記事を書いている(参照)。15年も続けていると、大抵のことは既に書いてしまっているようだ。我ながら油断がならない。というわけで、今回のタイトルは「ヨシキリの鳴き声 2」とする。
上述の記事でも書いているが、私の実の祖父で昭和初期の自由律の俳人だった唯一郎の句集に、次のような句がある。
はつきりと行々子の巣が見える六月の朝空 (参照)
月が來る行々子啼くにまかして歩むなり (参照)
「行々子」 というのはヨシキリの別名で、そう言われてみれば、「キリキリキリ…」としか聞こえていなかった鳴き声が、「ギョウギョウシ、ギョウギョウシ…」と聞こえてくるから不思議だ。
オオヨシキリの鳴き声があまりにも賑やかで、夜になっても続くので、さぞうるさくて眠れないのではないかと心配する人もいるが、自然というのはよくできたもので、こうした音というのはそのうちに「聞こえても聞こえない音」になってしまい、全然気にならずに眠れる。
同じことはカエルの鳴き声でも言えて、このつくばの地に引っ越して来た頃はあまりにも盛大な「筑波山麓合唱団」の声におそれをなしたほどだが、実際には全然気にならずに眠れる。静かすぎるよりも安眠できるほどだ。
(ちなみに上記の「〜合唱団」のリンクをクリックすると、若かりし頃のデュークエイセスの見事なコーラスが聴けて、さらに歌い終わってからちょっと嬉しいサプライズまである)
谷川のそばのキャンプ地で、囂々とした水の響きがとどろいていてもまったく気にならずに眠れるし、人間の耳というのはよくできたものである。自然の音というのはどんなにけたたましいようでも、いつの間にか耳に馴染んで気にならなくなってしまうのだ。逆に人工的な音や不自然な異常音などは、たとえ小さな音でも気になって神経に障る。
人間は太古の昔から、カエルや鳥の声に囲まれて来たので、それをうるさくは感じない遺伝子になってしまったのだろう。都会に住み慣れてしまうと、クルマの音ぐらいはうるさく感じなくて済む耳になっているかもしれない。ただしそうなったとしても、無意識の部分ではストレスにはなるだろうなあ。
都会暮らしの人が泊まりがけで田舎に行ったりすると、夜になると 「シーン」という音が聞こえるなんて話を聞いたことがある。もっと耳を澄ませば、微かな風の音や虫の声が聞き分けられると思うのだが。
| 固定リンク
「自然・環境」カテゴリの記事
- コメの「再生二期作」というのがあると知った(2024.10.10)
- 今年、猛暑日を記録したのべ地点数は過去最高だった(2024.10.07)
- 怪物ヒグマ に「肉の味」を教えたのは人間だった(2024.10.08)
- 「ヘクソカズラ」とか「イヌフグリ」とか(2024.09.30)
- 2024年が最も暖かい年になる確率が 97% だそうだ(2024.09.18)
コメント
家の近く(足立区の住宅地)ではセキレイちゃん、ムクドリちゃん、スズメちゃんなどが主で、ヨシキリちゃんの声はあまり聞かれませんが、荒川沿いの樹木がうっそうとしているところを自転車で走っていると、ヨシキリちゃんはいっぱいいて、楽しそうにおしゃべりしていますね。この声を聞くとほんとうにりらっくまできます。もう人間の声は聞きたくないや(おいおい)
投稿: 萩原みずねっちーに | 2017年6月 8日 00:32
萩原みずねっちーに さん:
都市部は、セキレイ、ムクドリ、スズメが多いですね。それから、カラスかな。
とくにムクドリは大量発生して、電線や街路樹の下の道路が糞だらけになるのが、エラいことです。
10年前の取手駅前は、大変な状態でした。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2006/07/post_1fba.html
投稿: tak | 2017年6月 8日 19:28