将棋と親孝行
中学生だという藤井聡太四段が無傷の 29連勝を達成したというので、世の中はちょっとした将棋ブームなんだそうだが、私は駒の動かし方を辛うじて知っている程度なので、まるで遠くの景色を眺めるような思いでニュースに接している。
私は将棋とかチェスとか囲碁とかのセンスはからきしのようで、将棋とチェスは人と対戦しても勝ったことが一度もない。そもそも好きでもなんでもないので、子どもの頃に同級生に無理矢理誘われて何度かやってみただけだが、いつもあっという間に負けていた。
負けても「これで解放される」と思うだけで、「負けて悔しい」という気持ちがちっとも理解できず、そのため負けないために練習して上達しようという気にも、当然ながらなれない。藤井四段は「負けず嫌い」なんだそうだが、そのあたりからして私とは全然違う。私は勝負師の資質がまったくないようなのだ。
どうしてまた、自分がこんなにも将棋が弱いのかということに関しては、既にかなり前に自己分析済みだ。それは、勝負を始める前の最初の布陣(上の写真ね)が、あまりにも完成された美しい姿と思っているために、駒を動かすのを忍びなく感じてしまうのである。
しかし実際に将棋を始まってしまうと、駒を動かさざるを得ない。勝とうという意識がなくて、ただひたすら動かすのに抵抗があるだけの私としては、なるべく当たり障りのない部分の駒を嫌々ながらチマチマ動かすのみなので、勝てるはずがない。しばらくすればバランスが崩れまくった盤面から早く抜け出したくてたまらなくなり、あっさり負けてほっとする。
「なんだか、前にもこんなことを書いたことがあるなあ」 という気がして、自分のブログを検索してみたら、ほぼ 4年前に「オセロ・ゲームのアプリ」というタイトルで、将棋に関し、"最初に駒が並べられた状態がとても美しく感じられて、「この素敵なバランスを、どうしてわざわざ崩さなければならないんだ?」なんて思ってしまうほどの「平和主義者」なので、てんでお話にならない" なんてことを書いている。
この時の記事では、オセロ・ゲームは嫌いじゃないので、時々 iPhone のアプリで楽しんでいるみたいなことを書いているが、実は今ではオセロもすっかり面倒くさくなってしまって、遠ざかって久しい。要するに、この手のゲームには才能がないみたいなのである。
ただ、6年前の東日本大震災の年の秋に亡くなった父は、将棋や囲碁が得意だった。会社勤めをしていた頃、社内の将棋だか囲碁だかの大会で優勝したこともあったらしい。
大昔に、たまには将棋や囲碁の相手をすることで親孝行したいと思い立ったことがあり、ちょっとだけ練習してみたのだが、すぐに自らの才能のなさを思い知って諦めた。とくに囲碁なんて、眺めていてもどっちが勝ったのかすらわからず、入門書を読んでも結局理解できなかった。とことん向いていないようなのである。
というわけで、親孝行できなくて、ごめんね。
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コメント
私も囲碁と将棋は全くダメですね。オセロはやりました。
素人の将棋指しであっても尊敬してしまいます。私にはアタマが全く付いていけないのです。
藤井四段はプロたちからも「藤井さん」と呼ばれていますね。「末恐ろしい」のでなくて「今恐ろしい」中学生ですよ。
対局の感想を述べている時に「僥倖であった」と表現した時には中学生離れしていると驚きました。
投稿: ハマッコー | 2017年6月28日 23:43
ハマッコー さん:
「アタマが全く付いていけない」 という言葉が、本当によくわかります ^^;)
藤井四段に関しては、「すげえ!」 と脱帽する以外にありません。言動からして、並外れています。
願わくは、ゴルフのタイガー・ウッズみたいにスポイルされてしまうことのないよう、周囲もしっかり接していただきたい。まあ、彼なら大丈夫という気もしますが。
投稿: tak | 2017年6月29日 02:23
うぅむ、こう云ふのは親とか周りがやつて居たという環境に加へ、才能とかセンスが必要なのですかね。私にはどちらも無いのに加へ、ゲエムなどの勝ち負けにも全く興味がないときて、盤面を見ても全く何も感じません。抽象化する能力がないのでせうか?
物事には向き不向きがあるといふ良ひ例ですかね。すみません(誰に謝つて居るのだらう)
投稿: 萩原千間 | 2017年6月29日 13:31
萩原千間 さん:
囲碁や将棋に最も不向きなパーソナリティと環境を、兼ね備えておいでのようですね (^o^)
投稿: tak | 2017年6月29日 16:24