「日本型ポピュリズムだった」 と過去形で総括したい安倍政権
安倍政権がちょっとおかしくなっている。「お友達」がおかしなことばかりするから、政権への不信感が高まっているためだろうが、その「おかしなお友達」に「いいわいいわ」で便宜を図って当然と思っていたのは、当の安倍さん本人なんだろうから、責任は大きいと言わざるを得ない。
そもそも「右側の人たち」というのは案外気楽に「お友達」になりたがる傾向があるようで、「日の丸」だの「靖国」だの「教育勅語」だのと言いさえすれば、「そうだ、そうだ、その通り!」とばかり、思いっきり群れ揃って気勢を上げたがるところがある。とくにあの「日本会議」系の人たちはそれが顕著で、普段はどんな組織に属していようが、何か集まりがあるとかなりの動員をかけて集結する。
昔の学生運動に端を発した左翼、とくに「新左翼」と言われた連中が、素人には意味不明のちょっとした言葉上の差異で分裂に分裂を重ね、内ゲバ殺人にまで発展したこととは対照的に、右翼の人たちというのは小さな違いはあまり気にかけず、かなり鷹揚な印象がある。あれって何というか、「郷愁」のようなものに誘われてるとしか言いようがないよね。
そんなわけで、安倍首相と「志を同じくする」ように見えてしまう森友学園だの加計学園だのの理事とか、そんなような部類の人たちがちょっと働きかけるだけで、いろいろなところで嫌な感じの「ソンタク」(漢字でなんか書きたくないので、こう表記している)が働いてしまい、好き放題できてしまう土壌が形成されていた。これは当事者たちがいかにトボけようとも、否定しにくいところである。
ところが、これまでは「日の丸・靖国・教育勅語」を旗印にしたお友達連合が比較的少数派だったからいいが、今やかなりの数になってしまった。日本中のあちこちに「日本会議シンパ」が生息するようになり、大きな声で同じことを言いながら活動し始めると、「いいわ、いいわのお友達」でいるばかりでは済まなくなるようなのである。所帯が大きくなると、「あいつとは、ちょっとね」という感覚が生じ始める。
これまでは一括りにできていた「郷愁」も、子細に見ればいろいろ差異がある。現に森友学園の籠池氏はなかなかおもしろいキャラで、既に安倍さんとは「元・お友達」ということになってしまっているようだ。政界側でも安倍チルドレンの問題が相次いで、盤石に見えていた政権支持率も下がり始めている。
そうなるといつの間にか泥舟状態と化すのが、政治の世界のコワいところだ。「お国のため」なんて言ってはいたものの、一皮剥けば利権の巣窟というのがバレバレになってきて、利害が反すると袂を分かつようなことがフツーに出てくる。「一枚岩」も風化し始めるだろう。
安倍政権というのは要するに 「日本型ポピュリズム」 なんだと思っているのだが、なるべく早く 「日本型ポピュリズムだった」 と過去形にして総轄してしまいたいところである。
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コメント
一枚岩。
「岩盤に穴を開ける政策」
とは、このことだったのか!
(すっとぼけ)
投稿: 乙痴庵 | 2017年7月 1日 15:54
乙痴庵 さん:
実は、まさにこのボケを期待していました (^o^)
投稿: tak | 2017年7月 2日 19:31