ホリエモンの Tシャツ炎上と、「しまむら」 の 「スウェッターズ」 CM
ホリエモンが NHK の番組に出演した時の Tシャツが、「ヒトラーを想起させる」とする指摘があったため、アナウンサーが「不快な思いを抱かれた方にはお詫び申し上げます」と謝罪したというニュースに、「どれどれ、どんな Tシャツなんだ?」と画像検索してみたら、こんなのだった。
この写真ではちょっとわかりにくいが、ヒトラーらしき人物の隣には "No War" とのメッセージがあり、左襟にには昔懐かし 「ピースマーク」 がある。つまりこれ、反戦メッセージのシャツなのだが、NHK に抗議した人たちにはちっとも伝わらなかったらしい。
ホリエモンは「どっからどう見ても平和を祈念しているメッセージ Tシャツにしか見えないだろこれ笑」と tweet したが、そのせいでさらに炎上しちゃったらしい。でもまあ、世の中ってそんなものなのだよ。
"No War" のメッセージ部分は、画面上で読みづらいし、この中学英語の意味わからん人も多いし、もっといえば、そもそも英語なんて 「読むもの」 と思ってさえいない人だらけなのだ。そしてピースマークなんて、もう忘れ去られているのかもしれない。
英語のメッセージについてだが、「このくらいの簡単な英語なら、誰だってわかるだろう」と思うのは、甘すぎるのである。何しろ多くの日本人にとっての英語は、単にもっともらしい「模様」に過ぎないのだ。これは肝に銘じていい。
Tシャツで思い出したのだが、例えば、えぇと、社名出さざるを得ないけど、今、「しまむら」店頭にはこんな看板が飾られており、ウェブサイトにもがでかでかと掲げられてある (参照)。
「みんなの! みんなの!! 汗の スウェッターズ」って何かと啞然としたが、とりあえず、大文字の ”T" に着目して 「みんなのスウェット Tシャツ」 というココロなんじゃあるまいかと思っていた。「スウェッターズ」には依然として引っかかっていたけどね。しかしこの精一杯の親切な深読みは、TV CM で見事に裏切られた。
なんと、"sweaT's" で 「スウェッターズ」 と読ませたいらしいのである。いやはや、こんなの、CM を見なけりゃ誰もわからないよね。
ちなみに ”sweater" といえば「セーター」のことだが、最近は "t" を重ねて "sweatter" でスウェットシャツを指す言い方が、徐々に認知されつつある(参照)。言葉は生き物だから、これは認めるにやぶさかではないが、こなれた英語の発音であればあるほど、"sweater" と同じにしか聞こえないってことはあるだろう。
ともあれ、いくら何でも "sweaT's" で 「スウェッターズ」 とは乱暴すぎるだろうし、もっとはっきり言えば「ダサすぎ」だ。ただ、これだけ堂々とやられたら「まあ、お好きなように」と言うしかない。
というわけで、ホリエモン、"No War" と書いてあるからといって、メッセージがきちんと通じるわけじゃないのだよ。この国では、英語は単なる飾り文字か、勝手な造語のネタ以上の何物でもないのだから。
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コメント
あららら、これは残念でしたね。「No WAR」の文字をもっと大きくして、ピースマークも大きくして、ちょび髭の人物の顔をもうちょっとAべ氏に似せて、Tシャツの色も血の色にすればもっと風刺が効いたのにね。ほラえもん氏はヴィジュアルのセンスがいまいちだわね。もっとテレビという媒体をうまく利用しなくちゃ(あんた何様?)
しまむらさんのは、Tシャツよりもうすこしルーズフィットで厚手で(触ってみたことないけど)夏のアウターとしてヘビロテできるジャンルのトップスを開拓しようというコンセプトなのじゃないかしら(あんたアパレル関係の人?)スペルについては、ジーンズが「Gパン」になっちゃった前例もあることだし、まあ大目に見てやればいんじゃね?まあ日本人にとっては欧文は、tak先生もおっしやるように、しょせん模様なんだからw
投稿: 萩原寛斎 | 2017年7月13日 23:31
萩原寛斎 さん:
>ほラえもん氏はヴィジュアルのセンスがいまいちだわね。
それは、昔から言えてる (^o^)
>ジーンズが「Gパン」になっちゃった前例もあることだし、
実はあれは、その昔 (終戦直後のお話) は 「GI パンツ」 と言ってたのが短くなったんですよね。「ジーンズ」というのは、その後から入って来た言葉と記憶しています。
GI : Government Issue (官給品)。進駐軍の着用品のことをこんな風に言ってたわけですね。
アダモの曲に 「ブルージーンと革ジャンパー」 ってのがありますが、この曲が流行った頃は、まだ 「ジーンズ」 という言葉が定着していなかったわけです。
投稿: tak | 2017年7月14日 08:09