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2017年7月24日

土用丑の日に休業する鰻屋さんの志

明日は土用丑の日なのだそうで、新聞のチラシは鰻蒲焼きのオンパレード。テレビやラジオもウナギ、ウナギで盛り上がっている。ただ私はだいぶ前からウナギとマグロは食わないことにしているので、とろっとした蒲焼の写真なんか見ても全然そそられない。

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私がウナギとマグロを食わないことにしたのは、ケチっているというわけでは決してない。わざわざ絶滅危惧種を選んで自分の口に入れてしまうのは、いかにも夢見が悪いからである。種の多様性を守ることと、ウナギやマグロを食うこととどっちが大切かと言われたら、そりゃ種の多様性を守る方がずっと大切だ。

この間の事情については、過去に書いた中の、次の 3本の記事を読んでいただけばよくわかっていただけるだろう。

当面、ウナギとマグロは食わないことにする (2013.6.14)

「ウナギとマグロは食わないことにする」 ということについて (2013.8.3)

ウナギを食うのは早めに諦める方がいい (2016.9.26)

こんななかで、朝日新聞が "土用の丑、今年は2回 「ウナギ守るため」休業の店も" という記事を書いてくれている。以下に引用する。

6月下旬、専門店 「うなぎ高瀬」(東京都八王子市)の 「土用の丑の日は休業します」 という店内の貼り紙を、客がツイッターに投稿した。多くの客が訪れることで丁寧な接客が難しくなるほか、稚魚の減少に触れて「資源を大切に守り、日本の食文化 『鰻 (うなぎ)』 を未来に残したい」 などと理由が書かれていた。

私は個人的にはウナギは衰退産業だと思っている。まともな国産ウナギは高すぎるし、安い中国産のウナギはどんなアブない餌で育っているか知れたものではない。いずれにしても、きちんと考えれば考えるほど、自分の口に入れるものではないという気になる。

上記の 「ウナギを食うのは早めに諦める方がいい」 という記事の中で、私は次のように書いている。

そろそろ日本人も、「ワシントン条約のせいでウナギが食えなくなってしまう」 などという、根拠のない被害者意識で捉えることを止めなければならない。本当のところは、日本人がウナギを食い過ぎるからワシントン条約で規制しなければならないところまできてしまったのである。うなぎの視点からは、日本人は加害者なのだ。

しかし街の鰻屋さんにまで 「そんな仕事はお辞めなさい」 という気はない。いずれにしても規模的な衰退は免れないだろうから、早めに将来を考えた方がいいだろうが、そうした中で 「食文化を守る」 というギリギリのラインで踏ん張るというのは尊いことだ。その意味でも 「うなぎ高瀬」 さんの決断は、なかなか潔いものだと思う。

こうした志の鰻屋さんがいる限り、日本文化は大丈夫という気がする。こちらをクリックすると、Twitter での 「うなぎ高瀬」 さんに関する投稿を読むことができる。なかなか素晴らしいお店のようだ。

ただ、いずれにしても私は食わないし、一般的にも、「ああ、そういえば、10年前に一度食ったことがある。確かにおいしかったなあ!」 ぐらいで十分じゃないかという気がしている。

【7月 26日 追記】

ついに保護団体も 「安いものは密漁された可能性が高く、食べないでほしい」 と呼びかけるまでになったようだ。私は安かろうが高かろうが、食べないけど。

 

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コメント

私も昨日だかスウパアに赴いたときむなぎくん(調理済み)を目にしましたが、勿論買いませんでした。スウパアの戦略に乗っかるのも嫌だし、そもそもむなぎってそんなに旨いですかねぇ(ま~た無理しちゃって)?私は冷奴や納豆のほうが全体旨いと思いますがね(買はないのば貧乏だからだらう)。

投稿: 萩原千間 | 2017年7月24日 22:27

うなぎのシラスも、どんな手法で流通しているか、疑問が残る訳であります。

養殖ウナギ生産量と、シラス漁獲高が合わない現状が物語っています。
違法漁獲によって、本来その川に入って成長するはずのうなぎが、複数の流通業者を経由して養殖ウナギのイケスに投入される訳です。

当地は美濃焼を地場産業としており、昔の窯焼きさんは滋養強壮にうなぎを食べていたと言う文化がありました。

ま、今では大枚叩ける方用のお食事ですけどねぇ。
今晩は、スーパーマーケットのチラシを眺めながら、うなぎのタレごはんでもいただきますか。

投稿: 乙痴庵 | 2017年7月25日 15:35

萩原千間 さん:

どうでもいいウナギの蒲焼きは、確かにおいしくも何ともありませんね。ただ、ちゃんとした素姓のウナギをきちんと作ったのは、確かにおいしいです。

いずれにしても、私は食わないけど。

投稿: tak | 2017年7月25日 17:01

乙痴庵 さん:

本当にウナギというのはよくわからない世界ですね。

これもみな、日本人が異常な執念を燃やしすぎるからです。

投稿: tak | 2017年7月25日 17:04

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