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2017年8月24日

定年以後に増えるのは 「パソコン・スマホを操作する時間」

@nifty news に「定年以降に増えるのは家で過ごす時間やパソコン・スマホを操作する時間」という記事がある。ランキングの 1位は 「家でゆっくり過ごす時間」で 45.5%、2位は「パソコンやスマホを操作する時間」で39.5%という調査結果になったのだそうだ。

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ただ、この数字は「総合ランキング」のものであり、60代以上に限ると「パソコンやスマホを操作する時間」が過半数の 55.0%で 1位になるが、30代以下だとベスト 5 に入らず、40代でようやく 25.8%で 5位に入るという。しかしそもそも、「30代以下の定年」って一体何だ? それって、あったとしても極々特殊なケースなんじゃあるまいか。一般的なケースと特殊なケースをこんなにも安易に比較してどうなるんだ?

初めは「最近増えたのは、どんなことをする時間?」という調査だったのではないか思ったのだが、この記事の書き出しには堂々と「定年以降、生活においてどのような時間が増えたと思いますか? という調査です」とある。そうなると、30代や 40代の人間まで対象にしてこんな調査をするという発想から説明してもらわなければならないが、まあ、最大限譲って、敢えてそこは問わないことにしよう。いずれにしてもこの記事、ライターの質が低いよね。

そこを敢えて問わずに、ここで問題にしたいのは、定年を迎えた 60代以上の人の過半数は、「パソコンやスマホを操作する」という行為に、ある種「独立した意味」をもたせているらしいということだ。若い世代だと、「パソコンやスマホを操作する」というのは、「ゲームやメール、SNS など、ある目的のための手段」にすぎないだろうと思うのだが、60代以上だと、パソコンやスマホの操作自体が「自己目的化」されてしまっているような気がする。

昔の「オーディオ・マニア」と言われた人たちの多くが、音質の良いオーディオ機器を揃えることに夢中になり、それで聞く音楽に関しては、割とどうでもいいイージーリスニングみたいなものばっかりだったみたいなことを思い出す。「好きな音楽を聞く」というより、「いい音で聴く」という物理的なことが優先されていた。

若い世代は「パソコンする」とか 「スマホする」とか、ほとんど言わない(多分 「パソコンで○○する」とか 「スマホで○○する」ってことになるのだろう)が、60代(本当は 70代以上だと思うが)は 「パソコンする」と平気でのたまう。今回はその点に注目するために、記事のわからなさについては敢えて目をつむったわけだ。

そもそも今どきはデスクワーク主体の人間なら、仕事をしている時間というのはほとんど「パソコンしてる」の時間だったはずだ。ということは事務職の人間が退職したら、パソコンを操作する時間は減って当然なのである。逆に、定年以後にその時間が増えたということは、「仕事ではあんまり使っていなかったのね」ということになる。

手書きで書いたものを、アシスタントの女の子に「PC で清書」させていたクチなのかもしれない。ということは、やっぱり彼らの頭の中では「パソコンする」ということに、ちょっとしたコンプレックス混じりの思いがあっても不思議ではないのである。

というわけで、その点に限って、この記事は興味深いということができる。仕事をしている間はあまり使わなかったけど、定年を迎えてから急に「これからはパソコンぐらい使えなきゃね」となるというのは、なかなかおもしろい現象だ。この「パソコンぐらい」の「ぐらい」が、妙な方向に向かって重すぎる言葉になっているという印象がある。

私の周囲にも定年以後に「これからはパソコンぐらい使えなきゃ」と言って「パソコン教室」とやらに通い、お絵かきとメールのやり取りはできるようになったものの、何年経っても添付ファイルが扱えないという人が複数いるので、この「パソコンぐらい」の意味するところが、かなりもやもやと霧のように漂っている。

そして最後にまた繰り返すが、この記事のライターの質の低さは何とかしてもらいたい。

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