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2017年8月14日

太田市美術館・図書館 の "BITO" 騒動

ネットで調べ物をしていたら、どういう関連かだかしらないが古いニュースへのリンクが表示され、ちょっとした気紛れでクリックして読んでしまった。群馬県にある「太田市美術館・図書館」という施設関連のドタバタである。

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この施設は当初は 「おおた BITO 太田市美術館・図書館」 という名称とされていて、そのロゴをデザインしたのが、あの 2020 東京オリンピックの公式エンブレム問題ですったもんだした佐野研二氏だった。このデザインが、ジョッシュ・ディバインというデザイナーがアメリカの Dot Textile design firm のためにデザインしたものとそっくりというので、物議を醸していたのである。

ただ上の画像で示したとおり、フツーに見ればこの程度で「盗作」なんていわれたら、世の多くのデザイナーがメシを食えないことになってしまう。しかし東京オリンピック関連の余波が大きかった時とあって市民の反発が大きく、アンケートの結果、改めてデザインを公募すると報じられたのが、一昨年の 10月のことだった(参照)。

このニュースは当時ちらっと見て知っていたが、私はデザインの類似性は全然気にならず、むしろ「BITO って何だ?」ということの方が気にかかっていた。佐野氏のデザインに表示されている正式英文名称であるらしい "Art Musium + Library, Ota" の、どこをどういじれば ”BITO" になるんだ?

そのわけがわかったのは、昨年 1月 6日付の "太田市、「おおた BITO」 の愛称使用中止 他者が商標申請中" という記事のおかげである。私はこのニュースを今日になるまで見落としていたので、当初の疑問が解けるまでに 1年 10ヶ月かかったわけだ。

記事によると、"BITO" という愛称の使用を諦めたゴタゴタの事情は以下のようなことらしい。

清水聖義市長は、「昨年夏ごろから登録申請をしている人がいる。愛称を使うと、あれは自分のものだと言う。残念だが使わないことにする」と述べた。愛称の BITO は、美術館の「び(BI)」と図書館の「と(TO)」の頭文字をローマ字で表現し、昨年 6月に決定していた。

これを読んで「BITO って、それかよ!」と脱力してしまった。「ビトに行ぐべ」程度の略称ならいいが、金をかけてロゴまで作ろうと気張っていた正式愛称の由来としては、ベタすぎるんじゃあるまいか。残念がってる市長さんには悪いけど、使用中止になって結果オーライだったねと、お喜び申しあげたいほどのものだ。

「太田市美術館・図書館」のサイトをみると、英文名称は当初の "Art Museum + Library, Ota" ではなく、ごくさりげなく "Art Museum & Library, Ota" になっていて、とくに愛称はつけられていない。新たな愛称を考える前に力尽きてしまったのだろうか。

ちなみに建物は平田晃久氏デザインの素敵なもののようで(参照)、太田市に行く機会があったら是非立ち寄りたいと思うほどだ。駅からも近いようだし。

 

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