日本の人口減少の要因は、欧米よりもずっと「文化的」
先進国での人口減少が問題になっている。ところが、ウェブ・ニュースを見る限り、欧米と日本における人口減少の要因は異なっているようなのだ。欧米では単純生理学的に男性の精子数が大きく減少しているのが原因だが、日本の場合は、どうやらメンタルな問題が大きいようなのである。

CNN ニュースによると、欧米の男性の精子数はここ 40年で 6割も減少しているらしく(参照)、次のように伝えられている。
北米や欧州、オーストラリア、ニュージーランドの先進諸国に住む男性のグループでは、精子の濃度が毎年平均1.4%ずつ下降し、全体ではマイナス52.4%。総数は同1.6%ずつ減少し、全体で59.3%減になっていることが分かった。
一方、「南米やアジア、アフリカに住む男性のグループでは目立った変化がみられなかった」というのだからおもしろい。道理で南米、アジア、アフリカでは、依然として人口が増え続けているわけである。
ところが人口増加が著しいアジアの中で、日本だけはどんどん減少している。豪メディア "news.com.au" は、2045年には毎年 90万人規模の減少ペースに達すると報じ、「これは毎年 (豪首都) キャンベラに相当する都市 2つ分の人口が消えてゆくに等しい」としている。(参照)
欧米のジャーナリズムは、日本における人口減少の要因は、不安定な経済状況に加え、「男女不平等」、「奇妙な性文化」 にあると指摘している。一家の経済を、男性が一手に引き受けて支えなければならないというプレッシャーが、男性の結婚率を低下させているというのである。
また日本特有の性文化が「セックスレス」を招いているともいう。多くの若者が、アニメなどのバーチャルな性文化に逃避していると指摘している。
いやはや、人口減少という問題に関しても、ストレートに物理的な欧米に比べ、日本ではかなり屈折した文化的要因が大きいというのは、なかなか興味深いところである。日本て、妙なところでものすごく「文化的」なのだよね。
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