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2017年9月 8日

そろそろ捕鯨を止めようじゃないか

先月末、「反捕鯨団体シー・シェパード、今年は妨害を中止」というニュースが報じられた。「日本の監視技術に太刀打ちできないのが中止の理由」ということだった。

170908

シー・シェパードは、「日本は軍事監視技術を使い、衛星からリアルタイムでシー・シェパードの船の動きを見ている。もし彼らが我々の船の位置をいつでも知ることができれば、簡単に我々を避けることができる」と述べたという。へえ、知らなかった。日本の南氷洋捕鯨は、そんなにもハイテクを駆使するコストをかけてまで継続していたのか。こりゃ完全に「お上の御用」だね。

私は数年前までは捕鯨そのものには反対していなかった。「日本文化の一部」と認識していたためである。また、反捕鯨団体の活動は「偏狭な動物保護」なのではないかという疑問もあった(参照)。しかし最近になって考えを変えた。やっぱり捕鯨なんてしなくていい。というか、止める方向に進むべきだろう。

そもそも「捕鯨は日本文化の一部」というのも、和歌山県の「イルカ漁」などがあるとはいえ、南氷洋まで出て行って捕鯨をするというのまで「日本文化の一部」とは到底言いがたい。それに、今の日本人はクジラ肉なんて食わない。食わなくても栄養には困らない。

それに私はここ数年、「肉食」を避けている。絶対に食わないというわけではなく、鶏肉はほんのたまに食うし、牛や豚も、会食などで出てきてしまったらつべこべ言う方が面倒なので仕方なく食うが、自分で選んでまで食うということはまったくなくなった。

だから昔は大好きだったラーメンや餃子なども、肉が付きものなのでここ数年食っていない。ましてや強いて探さなければ口にはいらない鯨肉となったら、ここ 30年以上食ってないし、探してまで食おうという気もない。

個人的には食いたくもないし、日本人全体にしても、少なくともクジラを食わなくても困らない。そもそも一般的には食う機会すら滅多になくなってしまっても、別に飢えてしまうわけでもなんでもないクジラを、世界中からの非難を浴びながら、わざわざ南氷洋まで出かけていって捕ってくるのは、私の感覚では「面倒でしょうがない」ってことになる。

ましてや「軍事監視技術」なんてものまで使ってまで継続しなければならないものとは、到底思われないのである。ここまで来たら、裏にきっと何かある。何しろ「お上の御用」的な臭いがプンプンする。

必要があるとも思われない「捕鯨」という行為を、日本はなぜ継続しているのかという問題を、かなりクールな目で説いたテキストがある。BBC の Rupert Wingfield-Hayes という人が書いた「日本とクジラ なぜ日本は捕鯨をするのか」(原文は "Japan and the whale")という記事だ。

「日本が捕鯨を続ける決意が固いのは、捕鯨関係者が多い選挙区から選出された数人の国会議員と、予算を失いたくない数百人の官僚たちのせいと言えるかもしれないのだ」という文で結ばれるこの記事を読めば、少なくとも捕鯨を続けることに積極的な意味がないと、客観的にも理解される。

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コメント

「もうこれが最後になるかもしれません」の注釈付きで、ラジオショッピングやってますね。
ご年配の方には懐かしい、働き盛りには疲労回復、女性には美容に、みたいな売り文句ですよ。

確かに、当年代の給食の定番だった「クジラの竜田揚げ」は、フとした空腹時に食べたくなることはあります。

まぁ、最後の難関「お値段」聞くまでもなく、購買意欲は一向に湧きません。

投稿: 乙痴庵 | 2017年9月 8日 19:48

>捕鯨関係者が多い選挙区から選出された数人の国会議員と、予算を失いたくない数百人の官僚たちのせい(Japan and the Whaleより)

そうだったんですか。国民のほとんどが必要としていない上に、世界中からバッシングされていることに莫大な税金を使って強行していることが非常に腹立たしいです。

投稿: K.N | 2017年9月 9日 02:25

乙痴庵 さん:

クジラを食うということは、かなりノスタルジーの世界なんでしょうね。このノスタルジーという感情は、かなり強いものです。

余計な金払ってまで食おうという人は、ノスタルジーのとくに強い人ではないかと思います。

「働き盛りには疲労回復、女性には美容に」 というのは、まあ、その気になればどうでも言いようがあるものだなあという感じですね。

まるでリポD かコエンザイムなんちゃらみたい (^o^)

投稿: tak | 2017年9月 9日 02:43

K.N さん:

まさに 「お上の御用」 だったんですね。

シーシェパードの 「日本は軍事監視技術を使い、衛星からリアルタイムでシー・シェパードの船の動きを見ている。もし彼らが我々の船の位置をいつでも知ることができれば、簡単に我々を避けることができる」 というコメントを聞いて、「そんなに大げさなことまでしてるのか」 と驚きましたが、そういうことだったわけですね。

投稿: tak | 2017年9月 9日 02:45

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