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2017年10月29日

高校の「髪の黒染め強要」問題

例の大阪府立高校の「黒染め強要で不登校」問題って、昨日まではお話にならないほど馬鹿馬鹿しすぎる話だと思ってスルーしていたのだが、遅ればせながらちょっとだけ書いてみることにする。髪の毛の「黒染め強要」なんてのは、今の世の中であってはならない人権侵害で、これで「以上、終わり」としたいところだが、問題の根はもうちょっと深いらしい。

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ウチの 3人娘が高校生だった、遙か 12〜3年以上前は、「地毛証明書」を提出しろなんてことを言われた覚えがないので、「黒染め強要」なんていう馬鹿馬鹿しい制度がいつ頃から始まったのか知らない。いずれにしても茶髪に染める生徒が増えだして以後のことなんだろう。茶髪にしたがる生徒がいなければ、そもそもこんな話も発生しない。

問題は、茶髪に染めたがる生徒の一部(あるいは多く?)が、どうやら素行に問題ありと言われるようなタイプであることのようだ。この点に関しても私としては少々疑問があって、「茶髪はイケないこと」と決めつける学校側の態度が、必要以上に彼ら、あるいは彼女らを「素行不良」の側に追い込んでいるのじゃないかと思う。「髪の毛の色なんて、別にどうでもいいじゃん」と言う方が、実は健全だと思うのだよね。

実際問題としては、似合いもしないくせにことさらな茶髪に染めているのは、「私は結構 DQN です」と自己宣伝しているようなところがあって、放っておけば自然に落ち着くところに落ち着く。どうせ就職の時期になれば、黒く染め直すことになってしまうんだろうし。

つまり最近の高校の茶髪問題は、生徒側と学校側がコラボして作り上げた「窮極の馬鹿馬鹿しい世界」としか言いようがない。生徒側は「手間暇かけても、カッコよく茶髪にしたいのよ!」とこだわり、学校側は「黒髪以外では、教育に差し支える!」とこだわる。どちらのこだわりも、はっきり言ってレベルが低すぎる。

低レベルのこだわりがぶつかり合って、問題を必要以上にややこしくしているのだ。「そんなこと、こだわらなきゃいいじゃん」って話なのだが、どうしてもこだわりたいんだろうなあ、お互いに。

問題をますます馬鹿馬鹿しいものにしているのは、元々髪の毛の色が黒くない生徒に対してまで「黒く染めろ」だのと馬鹿なことを言い出す学校側の「こだわり過剰」な態度である。これは「学校というのは、こんなにも下らないものですよ」と自己宣伝して、自らの権威を落とす行為としか言いようがない。多様性を認めないところに、まともな教育なんてあり得ない。

件の高校は「生来的に金髪の外国人留学生でも、規則では黒染めをさせることになる」なんてことまで言ったと伝えられるが、そんなことを言う方がずっと教育に悪いということに、どうして気付かないものだろうか。これで訴訟を起こされたら、学校側に勝ち目はない。

ちなみに「地毛証明書」なんてことを聞いて私は、「そんな証明書、どこで発行してもらうんだ?」と思ったが、なんと、親が署名捺印して提出するんだそうだ。これには笑ってしまったね。そんなことなら、初めから全員が「ウチの子は生まれつき茶髪です」として提出すればいい。完全に真っ黒な髪なんて、案外少ないんだから。

証明書の内容の真偽判定なんて、学校の機能にはないし、仮に虚偽の証明書を提出しても、「私文書偽造」で告発されるなんてことはないだろう。ということは、こんなのは単に紙とインクと労力の無駄遣いである。

今回の告発を機に、こんなような馬鹿な話は学校から根絶されることを期待するが、実際には「生来の髪の毛の色によっては、黒初めを強要しない」なんて、さらに細かいところに落とし込まれてしまい、ますます話が馬鹿馬鹿しくなってしまうんだろうなあ。

 

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コメント

私もその記事を読み、今時こんな教師と学校があるのかと、呆れた気持ちでした。

髪の毛というものは黒くなければならないという学校側の強い思い込みはどこからくるのだろうか。

他にハーフの子がいてその子の髪色はセーフらしい。問題とされた子は「だからクウォーターの君が茶髪なのはおかしいだろう」「君が茶髪なのは染めているからだ」というとんでもない屁理屈を言われたらしい。そんなことは神様が決めるということが分からないのだろうか。

教師達の頭の中は独特の世界観で満たされているらしい。たっぷり賠償金を払わされるがよい。

投稿: ハマッコー | 2017年10月29日 20:32

うーん。
私、教育関係に片足突っ込んでますが。
茶髪を禁止する学校側の気持ちはわからないでもありません。
高校生のファッションを自由にすると、派手なメイク・ガングロ・超ミニスカート・タトゥー・ピアス・鼻にピアス・舌にピアス・ギザギザ剃りこみ頭etc...
無論やるのは一部の生徒ですが、これらすべて”ファッション”であるのは確かで、果たして認めて良いものか。
親が”この学校に通わせる”という意思決定をしないと、高校ってつぶれちゃうんですよねえ・・・

あと地毛証明書、これってつまり親に、虚偽証明をしてまで子供の茶髪を許しますかというプレッシャーをかけつつ、責任を投げてるんですよ。
保護者公認の素行不良なら、もう学校は責任持ちません、ということですね。

投稿: らむね | 2017年10月30日 00:40

NET上では
「染髪ダメなら、教師の白髪染めは???」
「カツラは???」
といった、まぁどちらにしてもしょうもない話で溢れかえってましたねぇ。

兎にも角にも、時代錯誤って感じで、やっぱり教師・学校って現代の常識(すみません良い言葉が見つかりません)からかけ離れてるのかなぁ。
と、思ってしまいました。

投稿: Senna | 2017年10月30日 03:02

ハマッコー さん:

教師たちの頭の中がおかしくなってるのは、学校という組織を浮世離れしたものにして、その中で生徒と一緒におかしくなってるからだと思うのですよ。

つまり、生徒の方も結構おかしい。教師と生徒のコラボです。

私の高校時代は、学校からはかなり距離をおいて、外部で自由に生きる 「隠れ不良」 でしたから、学校との軋轢はそれほどありませんでした。教師たちも、「あいつのことは放っとくしかないな」 と思ってくれていたようです。

投稿: tak | 2017年10月30日 13:26

らむね さん:

日本人全体が 「多様性」 というものに慣れていなくて、その弊害が学校という組織に集中的に現れているんだと思います。「いろいろなのがいて、当たり前」 と思えないんですよね。

派手なメイクだろうがガン黒だろうが、放っておけば、別にそんなに極端な悪さはしませんよ。まあ、模範生からはほど遠いでしょうけど、若い子たちなんて、大抵そんなもんです。

逆に言えば、悪さをする生徒は、どんなに規則を厳しくしても一定数いるんで、「悪さ」 を取り締まって、「髪の色」 なんかで取り締まらなければいい。

「髪の色」 なんかで取り締まるから、ちょっと変わった子まで、全部一律に 「不良」 にされてしまうんです。

「茶髪だけどいい子」 も多いのに、「茶髪だから悪い子」 にされてしまうのは、気の毒というものです。

まあ、茶髪の子は教師たちにとってはかなり扱いづらい存在なので、「悪い子」 という範疇に押し込んでレッテル貼る方が楽なんでしょうけどね。

投稿: tak | 2017年10月30日 13:34

Senna さん:

世間の常識からかけ離れているのは、教師だけじゃなくて、生徒とのコラボによるものです。

学校が治外法権になりすぎてるから、一緒になっておかしくなってます。卒業してしまうと、「あれって、一体何だったんだろう?」 という世界ですよね。

私の高校時代は、学校という組織の埒外で教師たちと付き合うようにしてました。だから、教師たちも私のことは、「あいつは 『ちゃんとした不良』 だから、放っておけばいい」 と思ってくれてたようです。

優等生からはほど遠かったけれど、教師に迷惑をかけるような 「悪さ」 はしませんでした。まあ、「学校の中の治外法権である部室」 とか、近くの庄内砂丘の自然の中とかで、勝手に自由を満喫してました。(もちろん、授業をサボって)

庄内砂丘に行くためには、当時は最上川の渡し船に乗らなければならなかったのですが、その渡し守のオジサンとはツーカーでしたので、ノープロブレムでした (^o^)

複数の教師に 「同じ不良でも、お前みたいな不良ばかりだったら、こっちとしても楽なのになあ」 みたいなことを言われたことがあります (^o^)

投稿: tak | 2017年10月30日 13:45

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