日本人の私でさえ「旅館」には戸惑ってしまうのだから
「ニュースの教科書」というサイトに、「インバウンド増加なのに稼働率低迷で観光庁が指導? 日本旅館の何が問題なのか」という記事がある。ホテルは盛況なのに、日本式の旅館が低迷しているというのである。本当に出張で宿泊先を探すと、ホテルは満杯なのに旅館が空き空きという場合が多いのだ。
この件について私は、今年の 7月に "「旅館」という施設には、できるだけ泊まりたくない" という記事を書いているので、日本式旅館を敬遠する外国人観光客の気持ちもよくわかる。とにかく「旅館」って、まるでブラックボックスなのだ。一口に「旅館」と言っても、その実体は泊まってみるまでわけがわからないのである。
日本人の私でもびっくりしてしまうのは、夕方ちょっと外出して、部屋に戻ってみるといつの間にか布団が敷いてあったりすることだ。旅館の従業員とはいえ、知らぬ内に部屋に入られて、荷物がテキトーに片隅に寄せられて、見かけだけはやたらと豪勢な布団を敷かれちゃうというのは、何だか複雑な思いがしてしまうのだよね。
夜にちょっと PC に向かう仕事があるので、布団を片隅に寄せて、壁際に立てかけられちゃったテーブルを戻すというのも、何だか馬鹿馬鹿しい気がしてしまう。それに長時間座卓に向って PC のキーボードを叩くと、腰に来てしまうのだよ。
それから、「旅館」というのは、一人旅には部屋が広すぎる場合が多い。大抵は団体さんを目当てにして建てられているものだから、4〜5人が布団を並べて寝るというコンセプトになっている。ムダに広いのに、布団を敷くときにテーブルを片付けるって、一体どういうことなのかわからない。
それから、「素泊まり」ならまだ気楽だが、晩飯付きだったりすると、女中さんが入って来てあてがい扶持の夕食を勝手によそってくれたりするのも、こちらとしてはやりにくい。なにしろ、こちらの好みなんて一切考慮されず、ひたすら提供する側の都合によるメニューなのだ。これだったら「素泊まり」にして、晩飯は食いに出る方がいいと思ったりしてしまう。
とにかくたった一晩泊まるだけで、こんなに戸惑わせられてしまうのである。日本人の私が戸惑うのだから、外国人だったらなおさらだろう。さらに宿泊料が一般的なビジネスホテルより高いのだから、そりゃ、敬遠されて当然だ。
「旅館」というのは、もう「下にも置かぬおもてなし」の高級旅館しか生き残らないんじゃあるまいか。あとはいっそ、「ゲストハウス」みないな形態にしてしまう方が、いっそすっきりするだろう。
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コメント
旅館に喜々として宿泊する外人観光客の様子が時々テレビで紹介されますが、ホントかなと思います。トイレは和式が多いし、一人で宿泊するには12帖位あって広すぎて、しかも2万以上の料金で相当高い。
観光地にはビジネスホテルが少なく、旅館は泊めてあげてるというスタンス。一人で行こうものなら即断られるが観光案内所経由だと問題なく泊まれるのも不愉快ですね。ビジホなら空室があればすんなり泊まれる。
べたべたと孫の世話をするようなサービスを改めて、最低限のサービスに留め低料金にすればと思いますが、団体客用に作られてるのでそれも不可能。
出てくる料理は大げさで美味くもない。コンビニの弁当を持ち込んだ方がいいと思うが素泊りコースはなし。
2020年には訪日観光客4000万人を目標にしているがどこに泊まれというのか。これから多くの問題が出てくると思います。
追記:メアド変わりました。
投稿: ハマッコー | 2017年10月 8日 00:12
ハマッコー さん:
素泊まりの旅館というのも、あるにはあるのですが、そういうのはほとんどちゃっちい共同の浴室に交代で入るという方式で、トイレも共同が多いですね。
ビジネスホテルで 「バスルームなし」 なんてのは考えられませんが、こんなシステムで、6000円ぐらい取られるのですから、ビックリしてしまいます。
投稿: tak | 2017年10月 8日 23:05