世界はどんどん暑くなる
毎日新聞が「英医学誌 温暖化で健康被害増 熱波、デング熱感染など」というニュースを伝えている。ちょっと前までは「温暖化になれば寒冷地帯でも農産物ができるからいいじゃないか」なんてノー天気なことを言う人がいたが、そんな問題じゃないというのは、ここにきて明白になっている。
記事は次のように伝えている。
今回の報告書によると、00年以降、極端な高温が数日以上続く熱波にさらされる 65歳超の人口は約 1億2500万人増加。デング熱を媒介する蚊の生息域が広がり、1990年以降、毎年5000万~1億人の感染者を生んでいると推定した。
おいおい、冗談じゃない。私は今年で 65歳になっちゃったんだぞ。「極端な高温が数日以上続く熱波にさらされる」ってのが、どんな基準で言ってるんだか知らないが、実感としては既に十分さらされている気がするから、「約 1億2500万人」 の中に、私はきっと入っているんだろう。他人事じゃない。
単に熱波にさらされるというだけじゃなく、「石炭火力発電所などから出る大気汚染物質の影響で、15年には日本を含むアジア 21カ国で計 80万人が死亡したと推計」したとされているのだから、尋常じゃない。再生可能エネルギーや電気自動車の普及を例にして、「低炭素社会へ移行する転機だ」 と強調されているが、そんなの、今になって急に言い出しているわけじゃない。
「火力発電は温暖化ガスを排出するから、原子力発電が必要なんだ」 と言う人もいるが、とんでもない。原発は温暖化ガス排出しないかも知れないが、処理技術の確立していない核廃棄物をどんどん増やすだけでなく、排水が余計な筋道抜きに海水を直接どんどん暖めて、周囲の環境を破壊し続けていることを知ったら、そんな寝言は言えない。
私は今、仕事で北海道に来ているのだが、今日の札幌は妙に暖かい。防寒対策なんて必要じゃなかったと言いたくなるほどだ。聞けば、今年の夏もずいぶん暑かったという。
そういえば、近頃は夏場に北海道に出張しても、避暑気分には全然なれない。北海道の人も「暑い暑い」とこぼしている。ただその後に「北海道なのに」と付け加えるのが決まり文句みたいになっているが、そのうち、この決まり文句も死語になるだろう。
これから世界はますます暑くなってしまう。もうとっくに、後戻りできないところまできている。覚悟しなければならない。
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